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【水中考古学へのいざない(4)】あの「開陽丸」の大砲が引き揚げられた! 世紀の一瞬に大興奮

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【水中考古学へのいざない(4)】
あの「開陽丸」の大砲が引き揚げられた! 世紀の一瞬に大興奮

開陽丸の海底調査で引き揚げられた大砲(江差町教育委員会提供) 開陽丸の海底調査で引き揚げられた大砲(江差町教育委員会提供)

 昭和50(1975)年6月18日、北海道江差町の東外防波堤は、土砂降りの雨にもかかわらず町民で埋めつくされていた。幕末の軍艦「開陽丸」の大砲が初めて引き揚げられる世紀の一瞬を見に駆けつけてきたのである。堤防には2張りのテントが張られ、町長をはじめ関係者も多く詰めていた。その中には、当時の教育長、石橋藤雄さんの姿もあった。引き揚げを実現させるために文化庁の支援を取り付けようと、この日まで数年間、何度も東京と江差を往復していた。

  †明治維新の遺産

 テントには水中カメラのモニターテレビが置かれ、海中のダイバーが映し出されたが、かなり見通しが悪い。やがて大砲にワイヤがかけられ、110年もの間、海底に眠っていた砲身が水面に姿を現した。その瞬間、「ワァー」という歓声とどよめき、そして拍手がわきおこった。「明治維新の遺産を後世に伝える」と願って奔走した石橋さんも感慨深く見上げた。砲身部には、堆積物や海藻、貝殻、小石などがかさばるように付着していて、歴史の重みを感じさせたという。

  †日本初の本格調査

 開陽丸は徳川幕府からの発注により、1866年にオランダで建造。当時最新鋭の機帆走軍艦だった。江戸城明渡し後の1868年11月、新政府に対抗して箱館戦争を起こした旧幕臣の榎本武揚らを乗せて、新天地の蝦夷に入港。しかし、北海道江差沖で暴風雪に遇い船は座礁。波間に没した。榎本は「暗夜に灯を失うが如し」と嘆いたという。

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