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【熊本地震】守り抜いた伝統の酵母 熊本の人気酒、酒蔵損傷にも負けず

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【熊本地震】
守り抜いた伝統の酵母 熊本の人気酒、酒蔵損傷にも負けず

無事だった「熊本酵母」が入った容器を手にする「熊本県酒造研究所」の森川智製造部長=4月27日、熊本市 無事だった「熊本酵母」が入った容器を手にする「熊本県酒造研究所」の森川智製造部長=4月27日、熊本市

 日本酒ファンの間で人気が高い「香露」を製造する「熊本県酒造研究所」(熊本市)は、地震で被害を受けながらも酒造りに欠かせない伝統の酵母を守り抜いた。同社発祥の「熊本酵母」は香りの高さから全国に広まり、各地の蔵元で使われている。関係者は「業界の宝が守られた」と胸をなで下ろした。

 日本酒は、酵母を使って糖をアルコールに発酵させることで、米と水が酒に変わる。香りを左右する酵母は冷蔵保存が多く、「地震による停電で失われたのではないか」と不安視されていた。

 研究所で杜氏(とうじ)を務める森川智製造部長(49)によると、4月14日から続いた地震で、酒蔵は一部が傾き、大正時代から使っていた煙突は倒壊。貯蔵していた一升瓶500~600本が割れ、壁もはがれ落ちた。16日の本震後は停電したが、台風が多い九州では停電もよくあるため、自前の発電機を用意していた上、乾燥させた酵母をガラス管で常温保存するなど、バックアップ体制を整えていた。

 「酵母は蔵や杜氏が腕をふるい、表現したい味を出す手伝いをする大切な道具」と森川さん。「熊本酵母はうちだけのものではなく、業界の財産。大事に保管するため対策を取っていた」と話し、ガラス管内の濾紙にくっついた酵母を示した。

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