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【水中考古学へのいざない(1)】難破船には何がある? 水中遺跡はまさに小説「宝島」の世界 

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【水中考古学へのいざない(1)】
難破船には何がある? 水中遺跡はまさに小説「宝島」の世界 

 海に沈んだ古代文明、謎のアトランティスやムー大陸の伝説…。世界の海底にはいまなお謎に包まれた文明や人類のいとなみを示す物的証拠が数多く埋没し、人々のロマンや冒険心をかき立てる。そうした水中の遺跡を研究調査するのが水中考古学である。

  †「父」を慕って米国へ

 海沿いの町、茨城県日立市で育った私は子どものころから海に親しんでいたこともあり、いつかは海底の難破船探しをしてみたいと夢見ていた。転機が訪れたのは、サラリーマン生活を送っていた30代のころ。顔を出すようになった日本海事史学会の先生に教えられ、水中考古学という、まだ新しい学問分野を知ったのだ。まるで小説『宝島』にも似た冒険性に富む世界を学問として学べる、その魅力に強く惹(ひ)かれた。

 水中考古学はフランスの海洋学者、ジャック=イブ・クストーが1943年にアクアラング(自給式水中呼吸装置)を開発したことがきっかけで発達した。陸上遺跡とちがい水底遺跡は厚い水の層に覆われ、それが障壁となって破壊や盗掘から守られてきたため、保存状態が良いのが特徴だ。

 海に潜り、難破船や海底都市を研究調査する-。いかにもおもしろそうな分野であり、世界ではさまざまな実践的研究が行われ、めざましい成果を上げていたが、当時の日本の大学には水中考古学の講座がない。私は、「水中考古学の父」と呼ばれる米・テキサスA&M大学水中考古学研究所のジョージ・バス博士を慕って留学することにした。1960年、トルコ・ゲリドニア岬の青銅器時代の難破船発掘で輝かしい成果を収めた氏は、水中考古学を志す者にとっては神様的存在だった。

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