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【訃報】日本古代史研究の第一人者、上田正昭さん死去

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【訃報】
日本古代史研究の第一人者、上田正昭さん死去

古事記の魅力について語る上田正昭氏 古事記の魅力について語る上田正昭氏

 日本古代史研究の第一人者で、「東アジア」など新しい視点を持ち込んだ京都大名誉教授の上田正昭(うえだ・まさあき)さんが13日死去、88歳だった。

 兵庫県出身。民俗学者の折口信夫らに師事したが、敗戦を機に日本古代史研究のため京都大に入学し、高校教諭などを経て昭和46年に京都大教授。退官後の平成3年から大阪女子大学長を務めた。世界人権問題研究センター理事長、島根県立古代出雲歴史博物館名誉館長、高麗美術館館長などを歴任した。

 昭和40年に出版した『帰化人-古代国家の成立をめぐって』(中公新書)などで、日本の古代国家形成に大陸からの渡来人が大きな役割を果たしたと指摘。古代史研究に東アジアの視点が欠かせないことを主張した。作家の司馬遼太郎さんとともに、季刊雑誌「日本のなかの朝鮮文化」の編集顧問も務めた。

 東アジア全体をとらえた考えは、中国や朝鮮半島の影響が指摘される高松塚古墳(奈良県明日香村)の飛鳥美人壁画の発見(47年)などを通じて裏付けられ、日本古代史研究に新たな地平を開いた。

 また、都から地方を見る「中央史観」に異議を唱え、地域史を重視する視点も示した。出雲神話を歴史的に検証し、古代出雲の重要性を浮き彫りにするなど数々の業績は“上田史学”とも呼ばれた。

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