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どんな衣類の汚れも消します…岐阜の染み取り達人、確率9割以上

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どんな衣類の汚れも消します…岐阜の染み取り達人、確率9割以上

染み取り達人として名をはせるオンダクリーニングの恩田英明社長=岐阜県各務原市 染み取り達人として名をはせるオンダクリーニングの恩田英明社長=岐阜県各務原市

 染みや色落ち、どんな衣類の汚れも消してみせます-。岐阜県各務原市のオンダクリーニングは独自の技術に定評がある。社長の恩田英明さん(39)にかかれば、汚れを消せる確率は9割以上。業界では染み取り達人として名をはせる。

 クリーニング工場の専用スペースで恩田さんが取り組んでいたのは色落ちしたベージュのバッグ。何種類もの塗料を混ぜ合わせオリジナルの色合いを再現すると、色落ち部分に塗る。染み込ませるため水を加え、乾かすタイミングにも気を使う。

 染み抜きでは元通りにならない場合に用いられる色修正と呼ばれる技法。数日かかることもあり、使われることは少ないという。恩田さんは「面倒くさいのが好きな僕にぴったり」と話しながら作業を続ける。

 祖父が始めたクリーニング店で20歳のころに働き始めた。最初はサーフィンやスノーボードなど道楽ざんまい。心を入れ替えるきっかけは3、4年たったころに受けた女性客からのクレームだった。

 洗い終えたピンクのセーターを返すと「食べこぼしの汚れが全然落ちていないじゃない」。職場に呼びつけられて1時間半もの猛抗議を受け、最後に「悔しかったら、汚れを落としてみろ」のひと言。これで負けず嫌いの性分に火が付いた。

 各地で開かれるクリーニングの勉強会に足を運び、試行錯誤を重ねた。半年かけてセーターの汚れを落として、返しに行くと「要らんわ」と素っ気ない対応。それでも技術を認めてもらい、今では大事なお得意さまだ。

 以来、技術の探求が続く。衣類の材質、色に合わせ50種類もの薬品を組み合わせて汚れを落とす、独自の手法も開発。腕を見込まれ、全国から“難物”が持ち込まれる。「恩田さんが無理ならば諦めます」と言われると職人魂が燃える。

 「最初はクリーニング屋が好きじゃなかったけれど、奥が深くて…。挑戦する日々が楽しい」と晴れやかな笑顔で語った。

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