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【精神科女医のつぶやき】片田珠美(172)レイシストと戦っているつもりが…

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【精神科女医のつぶやき】
片田珠美(172)レイシストと戦っているつもりが…

片田珠美さんが「一緒に本を出しませんか」と呼びかける香山リカさん 片田珠美さんが「一緒に本を出しませんか」と呼びかける香山リカさん

 だからこそ、ニーチェの戒めを肝に銘じ、誰かに話を聞いてもらったり、音楽や運動などの趣味で発散したりして、自分自身が怪物にならぬよう気をつけている。

 リベラルな論客としてレイシストと戦わずにはいられないという気持ちも、わからないではない。欧米における極右の台頭に象徴されるように、排他主義が世界中を覆いつつある現状に私も危機感を覚えているし、レイシストは許せないとも思う。ただ、中指を突き立てるのは、欧米ではレイシストがよくやる仕草だ。むしろ、書くことによって抗議すべきではないか。「ペンは剣よりも強し」という言葉が真実であることを証明するために。

 そのためにも、『精神科医という病』みたいな本、こんど一緒に出しませんか。

 男と女、それぞれが生きやすい社会を築くための処方箋となる『男尊女卑という病』(幻冬舎新書)と、母親との関係に悩む女性は必読の『母に縛られた娘たち』(宝島社)が刊行されたばかりの精神科医、片田珠美さん。25万部を突破した『他人を攻撃せずにはいられない人』(PHP新書)や『プライドが高くて迷惑な人』(同)、『他人の不幸を願う人』(中公新書ラクレ)などでもみせた鋭い人間観察眼で、世間を騒がせたニュースや日常のふとした出来事にも表れる人の心の動きを分析します。

 片田さんは昭和36(1961)年、広島県生まれ。大阪大医学部卒、京都大大学院人間・環境学研究科博士課程修了。他の著書に『無差別殺人の精神分析』(新潮選書)、『一億総うつ社会』(ちくま新書)、『なぜ、「怒る」のをやめられないのか』(光文社新書)、『正義という名の凶器』(ベスト新書)、『他人の支配から逃げられない人』(同)、『他人の意見を聞かない人』(角川新書)など。

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