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【精神科女医のつぶやき】片田珠美(172)レイシストと戦っているつもりが…

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【精神科女医のつぶやき】
片田珠美(172)レイシストと戦っているつもりが…

片田珠美さんが「一緒に本を出しませんか」と呼びかける香山リカさん 片田珠美さんが「一緒に本を出しませんか」と呼びかける香山リカさん

 精神科医の香山リカ氏が、デモ団体に対して「レイシスト(人種差別主義者)帰れ」と中指を突き立てた姿がネット上に公開された。

 香山氏に対して私が長年羨望を抱いていたことは、拙著『嫉妬をとめられない人』(小学館新書)でも告白しており、そういう方を俎上に載せると物議を醸しかねないので、随分迷ったのだけれど、他の同業者のためにもあえて言う。「怪物と戦う者は、その際、自らも怪物にならぬよう気をつけよ」というニーチェの戒めを忘れるなと。

 香山氏は一体何と戦っているのだろうか。精神科医としては心の病と戦い、リベラルな論客としてはレイシストと戦っているのだろう。

 われわれ精神科医は、日々患者さんの心の病と戦っているがゆえに、その影響を受けやすい。もちろん、心の病は、感染症のように細菌やウイルスによって伝染するわけではないのだけれど。

 某大学の精神科の教授は、アルツハイマー病の権威として有名だったのだが、教授回診の際に、研修医から「先生はアルツハイマーなんじゃないですか」と言われて、激怒したらしい。そんなことを面と向かって口にする研修医もどうかと思うが、この教授の記憶があいまいになったり、混乱したりすることは実際にあったようだ。

 こういう話を聞くと、私もそのうち幻覚や妄想などの症状に悩まされたり、薬物に依存したりするようになるのではないかと不安になる。第一、医者は自分が専門としている病気で死ぬというジンクスがある。このジンクスを思い出すたびに、私も晩年は精神を病むことになるのではという恐怖が募る。

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