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薬物依存の保護観察対象者が2・5倍に!? 「刑の一部執行猶予制度」開始で…受け皿不足が深刻

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薬物依存の保護観察対象者が2・5倍に!? 「刑の一部執行猶予制度」開始で…受け皿不足が深刻

平成22年の出所者で5年以内に再入所した割合 平成22年の出所者で5年以内に再入所した割合

 今年6月までに導入される「刑の一部執行猶予制度」により、保護観察対象の薬物依存者の数が現状の4千人から1万人前後に増える可能性があることが21日、分かった。制度の狙いは薬物依存者らを実社会で更生させ、再犯防止につなげることにある。だが、薬物依存の治療を行う病院や専門機関など「受け皿」の不足は深刻で、支援態勢の整備が最大の課題となっている。

 覚醒剤など依存性が高い薬物に溺(おぼ)れ、ひたすら再犯を繰り返す者は多い。犯罪白書によると、覚せい剤取締法違反罪で服役し、平成22年に出所した後5年以内に再び刑務所へ収容された割合は、刑期満了による出所者では6割近くに上る。一方で、保護司らが更生の過程を見守る保護観察の対象となる仮釈放者では約4割だった。

 こうした現状を受け、国は社会生活を送りながら地域の中で立ち直りを目指す保護観察対象者を増やすことで再犯を防ごうと、同制度の導入を決定した。導入後、保護観察の対象となる薬物依存者がどれぐらいになるかは裁判所の判決次第だが、法務省幹部は「仮に26年の仮釈放者約4千人が全員一部執行猶予となれば、保護観察対象となる薬物依存者は1万人前後になる」と推計しているという。

 ただ、これだけの数の薬物依存者を地域の中で更生させるのは容易ではない。国立精神・神経医療研究センター(東京)の松本俊彦医師によると、薬物依存症の治療を行う医療機関は全国でわずか十数カ所。法務省の調査でも、26年度に保護観察対象となった薬物依存者のうち、医療機関などで治療を受けている人は207人しかいなかった。

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