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【昭和クルマ列伝】名門アルファ・ロメオも脱帽したスバル独創技術 スバル1000(昭和41年発売)  

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【昭和クルマ列伝】
名門アルファ・ロメオも脱帽したスバル独創技術 スバル1000(昭和41年発売)  

スバル1000 スバル1000

 国民のマイカー熱が高まり始めた昭和40年秋、第12回東京モーターショーが開催された。「トヨタ2000GT」などのスポーツカーが華々しく登場する中、大手メーカーを相手に異彩を放つ一台の小型車があった。

「スバル1000」と名付けられた4ドアセダンはシンプルな外見とは裏腹に、中身は画期的な技術にあふれていた。コンパクトで低重心の水平対向エンジン、当時の国産車では珍しい前輪駆動(FF)、4輪独立懸架のサスペンション、インボードタイプの前輪ブレーキ、電動ファンを備えたデュアル式ラジエーターなど-。とくに世界初の伸縮可能な等速ジョイントは、その後のFF車の開発・普及に大きく貢献した。

スバルの技術陣が求めたのは「走りの良さ」。やがて訪れる高速化時代をにらんでいた。

独創的なメカニズムは海外でも注目された。イタリアの名門アルファ・ロメオが自社初のFF車「アルファスッド」の開発でスバル1000を参考にしたという。当時、ほとんどの国産車が外国車を模倣していた時代、スバルがいかに先進的であったかを物語る。

 しかし、商売は苦戦を強いられる。既存の販売店が弱かったことに加え、凝った設計はライバルのカローラやサニーと比べると割高だった。また、複雑なメカによる整備性の悪さが一部の修理業者の間で不評を買ってしまった。理想は高かったが、現実は厳しかった。

 「1000」に初めて搭載された水平対向エンジンはその後改良を続けながら生産を続け、今年2月、ついに累計1500万台を達成した。こだわりのスピリットは今でもスバル車に息づいている。(中村正純)

■主要データ

水平対向4気筒OHV、排気量977cc、55馬力

全長3930×全幅1480×全高1390ミリ

車両重量685キロ、最高速度130キロ

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