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【刻印2015】(1)「爆買い」が〝反日〟に変化促すか 嫌中なのにおもてなし、日本人の「美徳」に触れた中国人

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【刻印2015】
(1)「爆買い」が〝反日〟に変化促すか 嫌中なのにおもてなし、日本人の「美徳」に触れた中国人

中国人観光客による「爆買い」が話題をさらった今年の日本。大阪・ミナミはチャイナタウンと化し、旅行消費額も年々増加傾向を示す。爆買いはこの先、日本に何をもたらすのか 中国人観光客による「爆買い」が話題をさらった今年の日本。大阪・ミナミはチャイナタウンと化し、旅行消費額も年々増加傾向を示す。爆買いはこの先、日本に何をもたらすのか

 「衷心感謝!」

 直訳すると、「心より感謝申し上げます」といったところか。12月上旬の大阪・ミナミの道頓堀。中国人観光客でにぎわう大型免税店「ラオックス大阪道頓堀店」(大阪市中央区)に、中国人客への謝意を示す案内が張り出されていた。

 今年は中国人客らが家電製品や化粧品などを大量に購入する「爆買い」が話題をさらった。世相を映した言葉を選ぶ「2015ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞にも選ばれた。

 案内によると、同社では感謝の印として数量限定で小箱入りの高級チョコレートを商品購入客にプレゼント。太っ腹な〝還元〟だ。

 そもそも中国人客はなぜ、日本製品をこぞって買い求めるのか。「今さら聞くのか」と言いたげな苦笑いを浮かべつつ、入社5年で店長を務める陳華さん(30)はよどみない日本語で答えた。「商品の質が良いからですよ」

 主な売れ行き商品はステンレスボトル(水筒)、炊飯器、電動シェーバーなどの理美容品。品選びでは迷わない。予算は十分持ち合わせている。店員による説明もそこそこに「即断即決」が基本。陳さんによれば、あらかじめ欲しい商品をネット上で見つけ、店舗では買うだけだという。

 ミナミは、東京・銀座と双璧をなす爆買いの中心地だ。

 堺筋の日本橋。中国人を乗せた大型観光バスがひっきりなしに止まる。どこからともなく「歓迎光臨(ファンイン グゥァンリン)=いらっしゃいませ」のフレーズが聞こえる。キャリーバッグを転がし、たこ焼きをほおばり、道頓堀界隈(かいわい)を歩く中国人の姿はいつしか、日常の光景となった。

 道頓堀だけではない。千日前や心斎橋など繁華街を歩くと、まるで「チャイナタウン」にいるかのような〝錯覚〟を引き起こす。

 日本経済にとっても極めて大きな存在だ。観光庁がまとめた「訪日外国人の消費動向」によると、平成26年の旅行消費額は5583億円で中国がずばぬけて1位。前年比2倍以上の伸びを記録した。27年速報値(1~9月)では、すでに1兆円を突破している。

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