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【理研CDBが語る】“ビビッ”と来た相手とくっつく 細胞たちの“合コン”で何が起きている?

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【理研CDBが語る】
“ビビッ”と来た相手とくっつく 細胞たちの“合コン”で何が起きている?

僧帽細胞が接続する相手を選ぶ様子は合コンと似ている

 興味深いことに、僧帽細胞は最初たくさんの相手と接続し、その後4、5日かけて、その中からたった一人をパートナーとして選ぶ。なかなかのやり手だ。これは何らかの比較が行われていることを意味するが、われわれはこれが細胞間の電気的なコミュニケーションによることを明らかにした。ビビっと来る相手を見定めているのだ。

 電気的な言葉をつかって一体何をささやいているのか、目下これについて調査中である。

 こんなことを研究して何になるのか、といわれるかもしれない。だが思い出してほしい。最初は誰も役に立つと思わなかった物理学者、ハインリヒ・ヘルツの電磁波の研究も、今では携帯やインターネット、衛星放送など、あらゆる無線通信の基盤になっている。

 神経細胞が相手を選び、接続するメカニズムが明らかになれば、脳の損傷を修復したり、老化を予防したり、ひょっとしたら学習能力を向上することもできるかもしれない。

   

 マーカス・ルーウィ 理研CDB感覚神経回路形成研究チーム研究員。イギリスとドイツの国籍を持ち、シンガポールで育つ。2013年、キングス・カレッジ・ロンドンにて視覚神経回路の構築に関する研究で博士号取得。子供の頃から脳をはじめ自然界のさまざまな物がどのように作られ、機能しているのかに興味を持つ。理研CDBの厳しくも魅力的な研究環境と日本文化にひかれて来日。余暇にはフットサルやサイクリング、マラソンに加え、温泉などの日本文化を楽しむ。

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