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【理研CDBが語る】“ビビッ”と来た相手とくっつく 細胞たちの“合コン”で何が起きている?

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【理研CDBが語る】
“ビビッ”と来た相手とくっつく 細胞たちの“合コン”で何が起きている?

僧帽細胞が接続する相手を選ぶ様子は合コンと似ている

 私たちの脳がどれほど多くの神経細胞からできているかご存じだろうか。

 その数なんと850億個。それらの細胞が互いに突起をのばして1千兆個もの接続点をつくり、複雑な神経回路を形成している。私は、神経細胞同士がどのような仕組みで正しい相手を選び、接続しているのかに興味を持っている。いわば日本の合コンと同じだ。お互いを知らずに初めて出会い、そこで正しい相手を見つけなければならないのだ。

 この合コンのメカニズムを解明するのはそれほど容易でない。第一ヒトの脳は大き過ぎるし、複雑過ぎる。そして実のところ、何が正しい接続なのかを、われわれはまだ十分理解していない。

 この問題に挑むため、私はマウスの脳を用い、なかでも嗅覚(きゅうかく)をつかさどり、比較的単純な構造を持つ嗅球という部位に着目している。嗅球の僧帽細胞は突起を伸ばし、少し離れた場所にある約千種類もの嗅神経細胞の中から1種類だけを選んで接続するのだ。それぞれの嗅神経細胞は特定のにおい分子をキャッチし、その情報を僧帽細胞に伝達するため、もし接続を間違えれば嗅覚が混乱してしまう。

 この仕組みを調べるために2つのアプローチをとっている。1つは、野生動物のドキュメンタリー映画のように、発生中の脳を顕微鏡の下でひたすら観察し、僧帽細胞の挙動を明らかにする。もう1つは、条件をいろいろと変えてみて、僧帽細胞に起きる変化を観察する。

 合コンの例えに戻るなら、条件とは細胞の容姿や服装、言葉づかい、仕事、収入といった所だろうか。これらを変えると、パートナーが変わるのか、あるいはカップル成立すらしないのか。

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