産経WEST

【夕焼けエッセー】歌と語りのコンサート「煙が目にしみる」 東京と大阪で公演 感動を伝えたい

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【夕焼けエッセー】
歌と語りのコンサート「煙が目にしみる」 東京と大阪で公演 感動を伝えたい

歌と語りのイベント「煙が目にしみる」を開く朗読の佐藤啓子さん(右)とジャズ歌手のみうらまちこさん

 読者から投稿を募っている本紙夕刊連載「夕焼けエッセー」の作品に魅せられた東京の朗読家、佐藤啓子さんが、友人のジャズシンガー、みうらまちこさんとジョイントしたコンサート形式の朗読会を東京と大阪で開催することになった。佐藤さんは「作品を読んだときの感動を多くの人に伝えたい」と話している。(尾垣未久)

 佐藤さんは40代から朗読講師に師事。10年間の訓練と勉強を積んで、現在は東京を中心に朗読会や朗読講師としての活動を行っている。平成21年に出版された「夕焼けエッセー~まとめて5年分~」に掲載された17年度年間大賞受賞作「煙が目にしみる」=久保田照子さん(92)作、別掲=に感動して、自らのレパートリーに加えたという。

 「煙が-」は、終戦後間もなく大阪の闇市で購入した手巻きの蓄音機と、1枚のレコードの思い出を書いたエッセー。レコードから流れる同題の曲を聴いて涙した、若かりし当時を振り返っている。

 「レコードを買った当時は分からなかった英語の歌詞の意味を、筆者が知った場面を思い浮かべると、いつ朗読しても胸が熱くなるんです」と佐藤さん。

 ジョイントするみうらさんは、横浜を中心に活動。佐藤さんとは10年来の知己で、互いの感性に共感し合い、これまでにもステージを共にしてきた。佐藤さんの「煙が-」の朗読に感銘を受け、今回のコンサートが実現した。みうらさんは「過酷な環境の中でこれからを生き抜くための曲を得た瞬間に共感でき、感慨深い。コンサートを通じて、自分を引っ張ってくれるものとの出会いを意識してもらえたら」と話す。

 作者の久保田さんは「10年前のエッセーがこんな形で披露されるのは奇跡だと感じます。90歳を超えた今、大きな生きる励みになります」と喜んでいる。

「産経WEST」のランキング