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奈良大阪県境の大和川、増水への不安は今後20年以上…近畿の堤防、4割が対策未了

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奈良大阪県境の大和川、増水への不安は今後20年以上…近畿の堤防、4割が対策未了

 近畿大の河井克之准教授(環境系工学)は「河川の堤防は、もともと人工物ではなく歳月をかけて自然にできたものなので、強度や構造は壊れて初めて分かる場合が多い。日本の河川は急激に水位が上がるため、浸透よりもあふれた水が堤防を削る破壊力の方が大きい。堤防の裏側の強化が必要だ」と指摘する。

 一方で、都市部を流れる河川の整備は、事業費の3分の1を負担する地方自治体や、住民の合意形成などの制約にも縛られる。奈良県から大阪府へ流れ、215万人の流域人口を抱える大和川の要対策堤防は7・7キロにとどまったが、総合的な安全対策が完了するのは二十数年後になるとされる。

 上流・中流域の奈良盆地内は、多くの支川が放射状に大和川へ流れ込む地形であるうえ、府県境は生駒山地と金剛山地に挟まれた地域を流れることから、水位が急上昇しやすい。特に近年は大阪のベッドタウンとして流域が開発され、降雨時の川の増水に拍車がかかっているという。

 昭和57年夏に両府県で計2万戸超が浸水する戦後最大の洪水が発生。平成に入っても奈良県を中心に家屋浸水を伴う洪水が3回起きている。国は25年11月、自治体や住民の意見を取り入れた整備計画をまとめた。計画期間はおおむね30年とされた。

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