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「ブラック家主・地主」横行 古い賃貸の住民恫喝、立ち退き要求 重機で“破壊”のケースも 

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「ブラック家主・地主」横行 古い賃貸の住民恫喝、立ち退き要求 重機で“破壊”のケースも 

「ブラック家主」が立ち退きを要求し続けている長屋。一部が強引に取り壊され、7軒中4軒の壁がむき出しになっている=兵庫県尼崎市(一部画像処理しています) 「ブラック家主」が立ち退きを要求し続けている長屋。一部が強引に取り壊され、7軒中4軒の壁がむき出しになっている=兵庫県尼崎市(一部画像処理しています)

 「借りたもんは返せ」。土地・建物の賃借人に、そんな恫喝(どうかつ)まがいの文言で立ち退きを迫る「ブラック家主・地主」が問題化している。老朽化した住宅を取り壊し、収益物件の新築などで荒稼ぎを図ろうしているとみられ、再開発が進む大阪や五輪開催を控える東京を中心に被害が出ている。“現代の地上げ屋”に対抗しようと弁護士らが立ち上げた団体には、脅されるまま家を明け渡してしまったという相談も寄せられており、団体は注意を呼びかけている。

 いきなり実力行使

 兵庫県尼崎市のJR尼崎駅の南側にある住宅地の一角。壁の一部がブルーシートに被われた長屋がある。もともとは南北に9棟続きで並ぶ長屋だったが、家主の大阪市の不動産会社が空室だった南から2軒目と6軒目の2棟を重機で壊し、隣り合う4棟の壁がむき出しになったのだ。

 不動産会社は5年前、個人が所有していた長屋の土地・建物を購入。間もなく住民に退去を迫るようになった。住民らは正当な理由のない立ち退き要求を認めない「借地・借家権」を根拠に協議を申し入れたが、会社側は拒否。昨年5月、住民の権利が及ばない空き家をいきなり壊し始めた。露出した壁の隙間からは雨漏りもしているが、会社側は「嫌なら出ていけばいい」などと修理に応じようとしないという。

 駅周辺はここ数年、大型ショッピングセンターが誕生するなど再開発が進む。長屋の住民女性(74)は「私たちを追い出して、更地にした土地をマンション建設会社に売るつもりなのでは」と話す。

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