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「幸せでした」…梅小路蒸気機関車館、30日に閉館でベテラン副館長の鉄道マン人生も終着駅

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「幸せでした」…梅小路蒸気機関車館、30日に閉館でベテラン副館長の鉄道マン人生も終着駅

梅小路蒸気機関車館の閉館にあわせて退職する阪東直樹副館長 梅小路蒸気機関車館の閉館にあわせて退職する阪東直樹副館長

 昭和47年に開館し、明治から昭和までの蒸気機関車(SL)をそろえるJR西日本の梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)が30日、閉館する。隣接エリアに建設中の施設とともに来春には京都鉄道博物館として生まれ変わるが、現場を引っ張ってきた65歳の副館長は閉館にあわせて退職する。国鉄就職以来、46年に及ぶ鉄道マン人生は電車の整備や運転、仕組みが異なるSLとの“再出発”と変化に富んだ。「幸せでした」。寂しさも覚えながら「終幕」を見届ける。

SLとともに

 大正3(1914)年に建造され、国の重要文化財にも指定されている扇形車庫の展示スペースに自慢のSLが並ぶ。同館の運営をJR西から委託されている「交通文化振興財団」を8月末で退職する副館長、阪東直樹さん(65)は、明治34(1901)年に英国で製造された1070形1080号機を見つめた。

 「この車両がきたとき、とてもうれしかった」。日鉄鉱業(東京都)が鉱石輸送で活用し、長らく保管していた車両で、平成21年9月に同館に譲渡された。日本では明治からSLが走り出したが、同館はそれまで明治に製造された車両を所有していなかった。

 「ようやく明治、大正、昭和の蒸気機関車が勢ぞろいした。これは蒸気機関車専門の博物館としては大事だった」

 子供のころから運転士にあこがれ、昭和44年に国鉄に就職。車両の点検、整備係を経て運転士になり、主に東海道線で乗務した。平成19年にJR西から財団に出向、翌年に財団に採用された。最初は苦労の連続だった。「SLはどのように前進、後進するのか」「蒸気を作るのにどれくらい時間がかかるのか」という来館者の質問に即答できない。「鉄道マンとして、これほど知識のなさを痛感したことはなかった。これはアカンと焦った」

最後まで見届けたい

 文献を読みあさり、SLの点検、整備をするJR西社員のもとに走った。実際に作業をみることで、仕組みを頭にたたき込んだ。

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