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【ビジネスの裏側】北陸新幹線開業は金沢の独り勝ち…「一強他弱」では成長持続に限界の声も

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【ビジネスの裏側】
北陸新幹線開業は金沢の独り勝ち…「一強他弱」では成長持続に限界の声も

北陸新幹線の開業効果にわく金沢市 北陸新幹線の開業効果にわく金沢市

 北陸新幹線の延伸開業(金沢-長野間)で金沢と東京が2時間台で結ばれて約4カ月。新幹線の乗客数は当初の想定以上となるなど上々のスタートを切った。観光客の増加や不動産価格の上昇などを通じて沿線の地域経済や景況感の改善につながっている。とはいえ、駅の利用客数や地価変動率などをみると、全国的に高い知名度を誇る金沢のほぼ“独り勝ち”の状態だ。沿線自治体が期待した開業効果に「二極化」の波が押し寄せ始めているようだ。(橋本亮)

 乗車数で2倍の差

 「当初は2・2倍とみていただけに想定以上だ」

 6月18日の記者会見で、JR西日本の真鍋精志社長はこう説明した。

 JR西が北陸新幹線のサンプルとして集計している上越妙高(新潟県上越市)-糸魚川(同糸魚川市)間の乗客数が3月の開業から6月15日までの約3カ月間で、在来線特急だった前年同期と比べて3・3倍にまで増えたためだ。

 開業2カ月間の約3・1倍と比べても勢いが増しているうえ、北陸観光への関心が高まったことで、関西と北陸を結ぶ特急サンダーバードの利用も約6%増加した。北陸に近い信越と関西を行き来する旅行商品の販売も前年を上回っている。

 ただ、各駅の利用状況には濃淡が生まれている。

 6月30日までの北陸新幹線の各停車駅の1日当たり平均乗車人数(速報値、自動改札機を通った乗客数で、団体客は含まず)は金沢駅(金沢市)が約8700人と突出している。続く富山駅(富山市)でも約4800人と2倍近い差があるのが実情だ。黒部宇奈月温泉駅は約800人、糸魚川駅は約400人だった。

 金沢は市内に金沢城などの著名な観光資源が集中する一方、富山は市郊外に黒部や五箇山といった観光地が分散していることも影響しているとみられるが、金沢のブランド力や集客力が沿線地域で群を抜いているのは間違いなさそうだ。

 不動産業界は物件不足の指摘も…

 北陸新幹線の延伸開業効果を受け、石川、富山、福井の3県では昨年に続き不動産業界は活況を呈する。

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