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紀伊半島のサルは「苦み」感じない-柑橘類自生の環境に適応? 京都大が調査

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紀伊半島のサルは「苦み」感じない-柑橘類自生の環境に適応? 京都大が調査

 紀伊半島のニホンザルには柑橘(かんきつ)類の苦味を感じない個体が多いことを、京都大霊長類研究所の今井啓雄准教授らのグループが明らかにした。苦味を感じる遺伝子が変異で機能を失ったことが柑橘類の自生する紀伊半島の環境への適応につながり、個体数が増えた可能性があるという。

 米国科学誌のオンライン版に23日掲載された。

 今井准教授らは、紀伊半島西部のほか地獄谷(長野県)や箕面(大阪府)、嵐山(京都府)など国内17地域で約600匹のニホンザルのDNAを解析。柑橘類などの苦味物質を感じ取るタンパク質を作る「TAS2R38」という遺伝子の変異について調べた。

 その結果、紀伊半島では約半分の個体で遺伝子の変異のため苦さの味覚が減退または喪失していたのに対し、他地域でこうした個体はいなかった。紀伊半島では約3千年前から柑橘類が自生している。

 これだけの差異が偶然とは考えにくいといい、今井准教授は「はっきりした原因は分からないが、ある味覚を失ったことが結果として進化になった事例ではないか」としている。今後、ほかでも同様の現象がないか調べるという。

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