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学校に、社会に…「問わずにはいられない」いじめ被害など遺族らが文集を自費出版、学校への怒りや教訓つづる

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学校に、社会に…「問わずにはいられない」いじめ被害など遺族らが文集を自費出版、学校への怒りや教訓つづる

亡くなった長男・健司さんの写真を手に思い出を語る西尾裕美さん=21日午後、大阪市北区

 全国各地の学校でいじめや事件などの被害にあった子供の遺族ら21人が、わが子への深い思いや不誠実な学校への怒りなどをつづった文集「問わずにはいられない 学校事故・事件の現場より」を9月に自費出版する。岩手県矢巾(やはば)町の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したとみられるなど、いじめ問題がクローズアップされる中での出版に、手記を寄せた一人は「同じ悩みを抱えている親への助言、不幸な出来事を繰り返す教育現場への提言になれば」と話している。(井上浩平)

 《1年近くいじめを見て見ぬ振りをしてきた担任の熱演に、実情を知る当人は深く傷ついたに違いない。親も長い間、おかしいとは思いながら気づいてやれなかった。》

 文集の出版を呼びかけた神戸市の男性(52)は、平成17~18年に小学5年生だった長男が同級生から現金を脅し取られたり、殴られたりするいじめを受けていた当時のことを、生々しくこうつづった。担任の教師は一度はいじめの存在を認めながら、しばらくして校長の前で「私がいじめを見過ごすはずありません」と開き直ったという。

 親子で何とか乗り越えたが、男性はいじめなどでわが子を失った遺族らの集会に出席し参加者と話すうちに、「亡くなった子供の思い出や親の経験を記録として残したい」という声が多いことに気付いた。今年1月から、知り合った遺族らにメールで文集への参加を呼びかけ、計21人が手記を寄せた。

 《中学に入り、初めて死にたいと思った時、あることを決意した。この中学校生活3年間で、『7回』死にたいと思ったら迷わず死のうと。》

 東京都足立区の中学校で22年10月、同級生から屈辱的な呼び方を繰り返されたことを苦に自殺した3年の男子生徒=当時(14)=の母親は、息子の遺書に記されていた死への決意を包み隠さずつづった。男子生徒は亡くなる少し前の運動会で元気な姿を見せ、母親は深刻な悩みを抱えていることに気づかなかったという。

 文集にはいじめだけではなく、教師から厳しい指導を受けたことをきっかけに自ら命を絶った子供の親も苦しい胸の内を明かしている。

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