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【銀幕裏の声】世界の“アニメ地図”塗り替える-宮崎駿監督不在、ジブリ休止の中、異端児が挑戦 傑作『バケモノの子』製作秘話

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【銀幕裏の声】
世界の“アニメ地図”塗り替える-宮崎駿監督不在、ジブリ休止の中、異端児が挑戦 傑作『バケモノの子』製作秘話

この夏注目の「スタジオ地図」の最新作「バケモノの子」のワンシーン。豪華声優陣にも要注目だ=(C)2015 B.B.F.P

 世界で絶賛された大作アニメ「時をかける少女」、「サマーウォーズ」を手掛けた細田守監督の新作「バケモノの子」が全国で公開中だ。フリー時代にこの2本を手掛け、4年前に自分のアニメスタジオを創設後、「おおかみこどもの雨と雪」に次いで2作目。「誰も見たことのないアニメを作る。そのために創設したスタジオです」。細田作品を製作するために大手アニメ会社を退職、監督と共同で「スタジオ地図」を立ち上げた斎藤優一郎プロデューサーは言う。宮崎駿監督が長編製作から引退。スタジオジブリが休止を発表した日本アニメ界で、「夏休みにはアニメが必要。誰かがやらなければ…」と語気を強める斎藤さんに新作の製作秘話を聞いた。(戸津井康之)

「誰も見たことのないアニメを」 既成概念を突き破れ

 「誰も見たことのないアニメを作る」という宣言通り、「バケモノの子」の発想も奇抜で壮大だ。

 舞台は東京・渋谷。といってもただの渋谷ではない。路地裏を抜けると、そこはバケモノたちが棲む異空間「渋天街(じゅうてんがい)」につながっているのだ。母を交通事故で亡くし、天涯孤独となった少年は渋谷で彷徨(さまよ)う中、バケモノの熊徹に出会い、「弟子にならないか」と誘われ渋天街へ。熊徹の弟子となった少年は武術や格闘技を修得し、たくましく成長するが…。

 「新作のテーマを考えている頃、細田監督に長男が生まれたんです。旧来の家族観が通用しない現代社会。親でなく、多くの大人を師匠に成長する子供の姿を描きたいと細田監督は言いました。子供とともに多くの大人たちも成長する、そんな映画を作ろう-と構想が固まっていきました」

 こう説明する斎藤さんは細田監督の作品すべてにプロデューサーとして関わってきた。ただ、初期の2作については、細田監督はまだフリーの監督、斎藤さんは日本屈指のアニメスタジオ「マッドハウス」に勤めるプロデューサーだった。

(次ページ)名作アニメでも米国で制限され…そこで「時をかける少女」を細田監督と…

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