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対馬仏像盗難、「近代国家なら2体返還が筋」観音寺前住職、韓国に不信感募らせる

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対馬仏像盗難、「近代国家なら2体返還が筋」観音寺前住職、韓国に不信感募らせる

海神神社の国指定重要文化財「銅造如来立像」(左)と、観音寺の長崎県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」=韓国・大田(聯合=共同)

 長崎県対馬市から韓国人窃盗グループによって盗まれた仏像2体について、韓国最高検は15日、1体のみを返還する意向を示した。今秋の実現を目指す日韓首脳会談に向け、韓国当局による「雪解け」演出の意思も垣間見えるが、対馬の関係者は「近代国家なら2体一緒に返すのが筋だ」と、改めて不信感を募らせた。

 海神神社の国指定重要文化財「銅造如来立像」と観音寺の県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」は、いずれも平成24年10月上旬に盗まれた。25年1月、韓国の警察当局が窃盗グループを摘発した際、仏像2体を押収した。

 日本側は再三、返還を要求しており、韓国最高検は、海神神社の「銅造如来立像」について返還を決めたという。海神神社の平山静喜宮司(57)は、喜びながらも「まだ実際に戻ってきたわけではない。最後まで安心はできない」と気を引き締めた。

 ところが、観音寺の仏像については返還のメドすら立っていない。

 押収直後、韓国仏教界から「元々、倭寇に略奪されたものだ」との声が沸き起こり、韓国・大田地裁は25年2月、日本への返還を差し止める仮処分を出したからだ。

 観音寺の前住職、田中節孝氏(68)は「1体返すといっても喜べない。2体は紛れもなく日本からの盗品で、そもそも韓国の裁判所の判断が異常だ。一緒に返すのが筋だ。韓国に対する不信は強まるばかりで、とにかく近代国家としての対応をしてもらいたい」と語った。

 韓国側の対応は、国際ルールを無視した暴挙といえる。

(次ページ)盗んだ文化財の返還、ユネスコ条約で義務付け…日韓協定でも韓国に理なし

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