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【「絶歌」出版1カ月】印税2千万円超、匿名…「少年法の陰に隠れて卑怯」 問われた出版の良識、内容に社会性はあったのか

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【「絶歌」出版1カ月】
印税2千万円超、匿名…「少年法の陰に隠れて卑怯」 問われた出版の良識、内容に社会性はあったのか

神戸・連続児童殺傷事件をめぐる動き 神戸・連続児童殺傷事件をめぐる動き

 平成9(1997)年に起きた神戸市須磨区の連続児童殺傷事件で、加害男性(33)の手記「絶歌(ぜっか)」が出版、発売されてから10日で1カ月。出版の是非や内容をめぐる波紋が収まらない。少数ながら「言論の自由」などの観点から出版を容認する声はあるものの、被害者遺族に無断で出版し、多額の印税を手にすることに出版の「良識」を問う声が強いようだ。

販売自粛の書店、購入しない図書館も

 「責任ある成人男性が、少年法の陰に隠れて匿名で本を出し、遺族を傷つける。卑怯(ひきょう)だ」

 事件で亡くなった土師淳君=当時(11)=の父、守さん(59)は憤る。出版直後、版元の「太田出版」(東京)に抗議、手記の回収を求めた。

 山下彩花さん=当時(10)=を亡くした母、京子さん(59)も「元少年Aや出版社の人たちと同じ土俵に立ちたくない」と突き放した。

 遺族感情を踏まえ、各方面から批判の声が上がった。淳君の菩提(ぼだい)寺がある兵庫県明石市の泉房穂市長は6月19日の記者会見で、出版を「遺族を傷つける許されない行為」と非難。神戸市の久元喜造市長も「遺族が精神的苦痛を受けたことは大変遺憾」と述べた。

 販売を自粛する書店や購入を見合わせる図書館も全国で相次いだ。神戸市などの公立図書館は購入しない方針で、成人に限定して貸し出しを認める滋賀県立図書館などのケースもある。

 一方、日本図書館協会は「社会的に関心が高く、賛否両論のある本。図書館があたかもその本が存在しないかのように振る舞ってしまうと、議論自体を覆い隠すことになる」と出版を否定しない姿勢を示した。

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