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【坂口至徳の科学の現場を歩く】太陽光発電の製造時4割ごみ…シリコン切り屑から水素 阪大と日新化成が新技術

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【坂口至徳の科学の現場を歩く】
太陽光発電の製造時4割ごみ…シリコン切り屑から水素 阪大と日新化成が新技術

デモ実験では、右側のボトルの中でシリコンの超微細粉末(黒色)と水を反応させると、左側の透明のガラスの容器内に発生した水素の泡が現れた

 新たなクリーンエネルギーとして燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素(H2)を活用する社会は、政府のエネルギー基本計画にも盛り込まれ、実現が近づいている。その担い手のひとつである燃料電池は家庭の電源や車に搭載される形で実用化されつつある。ただ、水素の製造コストの低下や安全性の確保、供給量の増加など課題は残されている。

 こうした水素の製造を産業廃棄物利用により安価に簡便に進める基本技術開発の発表があった。

太陽電池、超微粉末の技術…非常用電源、携帯用燃料電池に利用可能

 大阪大学産業科学研究所の小林光教授と日新化成(大阪市)など研究グループの成果で、シリコンの結晶をスライスして太陽電池の材料を製造する際に生じるシリコン結晶の切りくず(切粉)を再利用し、直径10ナノ(10億分の1)メートル以下の超微細粉末に粉砕、洗浄する技術を開発。この粉末を水に入れるだけで、室温で1分あたり最大400ミリリットルの速度で、1グラムあたり1リットルもの水素を発生させることに成功した。

 材料の切りくずは太陽電池製造の際に、約40%出るものでほぼ無料。試算では、製造コストはグラム当たり3円-10円で、高純度の材料の約100分の1程度ですむ。

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