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堺の鋏鍛冶「佐助」の弟子シュバリエさん、フランス政府「希望の星」受賞

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堺の鋏鍛冶「佐助」の弟子シュバリエさん、フランス政府「希望の星」受賞

親方の平川さん夫妻に付き添われ、竹山市長(左)に「希望の星」賞の受賞を報告するシュバリエさん(右から2人目)=23日、堺市役所

 幕末から続く堺の鋏(はさみ)鍛冶「佐助」(堺区北清水町)の親方に弟子入りし修業するフランス人、エリック・シュバリエさん(26)が仏日の文化的懸け橋になったとしてフランス政府から表彰された。海外で活躍する若者を対象にした「希望の星」賞で、シュバリエさんは23日、親方夫妻とともに堺市の竹山修身市長を表敬訪問し、受賞を報告した。

 シュバリエさんはフランスで日本語や日本の文化を学び、平成26年1月に来日。知人の紹介で同年7月、「佐助」の5代目親方で、植木鋏などでは現役ただ1人の伝統工芸士、平川康弘さん(64)を訪ね、弟子入りした。

 平川さんは15年ほど前から海外事業を展開していたことから、シュバリエさんにフランスでの個展の通訳や交渉、海外からの見学人の案内などを一任。シュバリエさんは工房で雑用をこなしながら鍛冶を学び、2年間で材料切りを任されるまでになった。

 受賞したのは、海外で活躍する28歳以下のフランス人を対象にした「希望の星」賞。今年の候補者380人の中から選ばれた。日本の伝統的な刃物鍛冶の文化をフランスに伝え、文化的な懸け橋となったことが評価された。

 「本物を作れるチャンス」と思い、弟子入りを決意したシュバリエさん。「日本の職人はフランスと違って教えてくれない。言葉も分からずやめようと思ったこともあった」と振り返る。受賞については「まさかと思った。親方のような鋏はいつになったら作れるか分からないですが、手で感じ取って学びたい」と語った。

 平川さんは「日本人でも弟子入りしてくれる人がいないのにありがたい。堺の刃物の技術を受け継ぎ、世界に伝えてほしい」と目を細めた。

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