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【都市を生きる建築(36)】垂直ならブルジュ・ハリーファも抜く巨大ビル…船場センタービル

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【都市を生きる建築(36)】
垂直ならブルジュ・ハリーファも抜く巨大ビル…船場センタービル

大阪・船場を東西に貫いて、10棟が連結する船場センタービル(外観リニューアル前の姿)(撮影・西岡潔)

 ビルは1970(昭和45)年に完成した。豊臣秀吉の大坂城築城以来、商業の中心地として栄えたこの船場地区だが、それだけに道路計画の実現が滞っていた。交通の要所で道路建設は急務だが、用地の買収に多額の費用が見込まれ、商業者にふさわしい代替地の提供も難しい。幅広い道路で市街地が分断される懸念もあった。

 そこで浮上したのが道路を高架でつくり、下にビルを建設するというウルトラC。このアイデアで商業者の移転先を確保し、ビル床の売却益分で事業費を削減。70年の日本万国博覧会(大阪万博)に間に合わせた。

 こんな建築のつくりは他に無い。かつての大阪の構想力と実行力の大きさ、そして先進性を代表する戦後の遺産である。大阪のど真ん中の資産を今後生かせるか否か。このリノベーション時代に、建設時に負けない大胆な発想の転換が求められているといえよう。(倉方俊輔/建築史家・大阪市立大学准教授)

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