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【日本千思万考】原子力規制委の迷走、“バカの壁症候群”が日本の国力を削ぐ 賢者のとるべき妥当な国策とは

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【日本千思万考】
原子力規制委の迷走、“バカの壁症候群”が日本の国力を削ぐ 賢者のとるべき妥当な国策とは

太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーはまだコストがかかりすぎ、その比率を現段階で早急に増やすことは国力低下を招きかねない

尾をひく太陽光バブル

 経産省の有識者会議は、過日、2030年度の電源構成比率について、再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%、液化天然ガス(27%)石炭(26%)石油(3%)による火力発電比率を計56%程度とする政府案を大筋で認め、政治調整へと一歩踏み出したようですが、これにはコスト比較分析が十分に加味されていないようなので、大いなる危惧感を覚えます。

 目下原発ゼロが常態となり、それを補うため増産を強いられている火力発電が電源の9割も占めるようになりながらもかろうじて日本の産業と家電を支えてはいますが、その代償コストは多大であります。原油安にもかかわらず、円安も相まって、毎日百億円強、年間4兆円近い輸入コスト増(貿易収支の悪化)と、電力会社の経費増から電気料金が家庭用で2割、産業用で3割も値上げを余儀なくされており、国民負担が増大している事態が軽視され、産業界の国際競争力低下を放置していることにも疑問を覚えます。さらに、温室効果ガスの排出増を招いているのも気がかりです。

 こうした弊害を除くには、安全性・環境性を確保するエネルギーの最適な組み合わせの妥当性と先進国のなかでも屈辱的な最低レベル6%というエネルギー自給率を向上させること、併せて安保や科学技術促進の観点も問われるわけですが、何よりも大切なのは、国力の源泉である電力コスト削減、すなわちエネルギーの経済性が問われなければなりません。しかしながら、今般の計画では、もっとも経済性の高いはずの原発を再稼働させるにもかかわらず、電力料金の高止まりが続くという構造的な問題が内蔵されているようです。

 その原因は、再生可能エネルギーの比率を倍増させるプランにあり、固定価格買い取り制度の負担増(一説に4兆円も)が急増するからであると考えられます。太陽光バブルを招いた民主党政権による愚かな制度設計を安倍政権が抜本的に改革できないのはなぜでしょうか。ほかにも送配電改廃設備費用も多額の負担(6~7千億円)を余儀なくされるようです。

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