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【デスクから】四条通の歩道拡幅は「世紀の愚策」か

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【デスクから】
四条通の歩道拡幅は「世紀の愚策」か

歩道の拡幅工事が進み、渋滞する四条通=5月27日、京都市下京区

 京都市内のタクシー運転手さんから聞こえてくるのは、いまだに「四条通の渋滞」のぼやきだ。原因は車線を減らして歩道を広げる拡幅工事。市の対策もあって一時に比べると渋滞は緩和されつつあるのに、ドライバーたちの不信感は根深いように思える。

 工事は、観光客のために歩きやすい街をつくろうという試みで、すでに一部は完成。歩行者にとっては非常に快適になった。一方、渋滞に巻き込まれたドライバーたちはイライラ。「市役所は四条通が混んでいるのを知っているのか」といった殺伐とした批判も相次いだ。ある運転手さんは「世紀の愚策ですよ」と手厳しい。

 京都は景観対策として看板規制も厳しく、こうした施策は商工関係者からは評判が悪い。とはいえ、観光を優先することが悪いとも思えない。むしろ、こうした施策で観光資源が守られ、京都の観光を支えてきたと思う。

 今回の問題では、車線を減らして歩道を広げる手法の是非よりも、市の見通しの甘さが気になる。市は当初「四条通の工事による大きな影響はない」とし、大渋滞を予想すらしていなかった。これが根深い不信の要因のひとつだと思う。

 渋滞が緩和し「のど元過ぎて熱さを忘れる」では、さらに不信が広がるだろう。市は別の幹線道路でも歩道拡幅を計画している。これを機に同じことが起きないよう、丁寧な課題検証をしてほしいと思う。

                    (京都総局 河居貴司)

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