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【戦後70年・回想録(下)】「よっしゃ、これでグラマンに勝てる」零戦・紫電改パイロットが語る…心に焼き付く記憶

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【戦後70年・回想録(下)】
「よっしゃ、これでグラマンに勝てる」零戦・紫電改パイロットが語る…心に焼き付く記憶

零式艦上戦闘機(零戦)

 戦後70年の特別企画として、3月27日に大阪市北区の市中央公会堂で開かれた「零戦(れいせん)と戦艦大和講演会」(産経新聞社など主催)。帝国海軍の戦闘機「零戦」と「紫電改」のパイロットだった笠井智一さん(89)=兵庫県伊丹市=が講演し、戦争体験者や遺族ら約850人が聞き入った。

司会: 引き続き、空中戦のことを詳しく聞かせてください

 昭和19(1944)年7月の話。このころフィリピンのダバオ基地で、外出のときにある人とけんかをしたことが問題になり、私は憲兵隊のお尋ね者になった。うちの隊長が、身柄引き渡し要求に来た憲兵隊を追い払ってくれた。

 その隊長が一週間ほどして、「ヤップ島に邀撃(ようげき)しに行こう」と言うので、ダバオから7~8機で行った。隊長に「明日からは邀撃手だぞ。落とされぬようしっかりせえ」と言われた。ヤップ島の山の上には当時珍しく電探(電波探知機、レーダー)があり、「敵機らしき編隊近づく」と毎日電話してくる。隊長と、わずか7機か8機で毎日邀撃に出た。せめて十数機でもおれば、もっと敵を落とせたのに…。

 戦闘機の空中戦ではまず、高度を取ること、スピードを取ること、太陽を背にすること。これが戦闘機乗りの3原則。高度6千メートルくらいで、編隊を組んで、1番機が撃つ、2番機、3番機と同じ敵に向かって攻撃する。そうでないと、B24というのはなかなか撃墜できない。向こうは12・7ミリの機銃でどんどん狙ってくるが、こっちは20ミリ機関砲2挺しかない。高度千メートルくらいの差で突っ込んでいかないと、敵の弾がどんどん飛んでくる。それでえらい戦果を上げた。表彰状ももらった。

 ところが7月24日、一緒に攻撃してた奴が突っ込んでいったらボアーっと火を噴いた。「あー、やられた!」。そいつはB24に体当たりしよった。大体、空中戦をしている間に、火を噴いて落ちるのは零戦、日本の飛行機。アメリカのグラマンなんかは煙を噴くが火を噴かない。アメリカは燃料にゴムを巻いて火がつかないようにしていた。

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