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【経営学者の舞妓さん研究(4)】「街全体が家族みたい」…厳しくも温かい花街、他業界にも通用する舞妓育成の仕組み

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【経営学者の舞妓さん研究(4)】
「街全体が家族みたい」…厳しくも温かい花街、他業界にも通用する舞妓育成の仕組み

芸舞妓にキャリア教育の講義をする西尾久美子さん=昨年1月、京都市東山区の宮川町歌舞練場

京都女子大学教授 西尾久美子さん

 --著書「舞妓(まいこ)の言葉-京都花街(かがい)、人育ての極意」(東洋経済新報社)には、舞妓が成長する過程で口にしたり、周囲からかけられたりする29の「京ことば」が収録されています。印象に残った言葉はありますか

 西尾 「街全体が家族みたいなもんどす」といった4~5年目の舞妓さんがいました。お座敷では、経歴や立場の違うプロフェッショナルがチームを組み、おもてなしをする。たくさんの人々の支えがなければ仕事はできないと気づくと、厳しくも温かい花街の世界に感謝するようになるんです。

 --なるほど。お茶屋や屋形の経営者を「お母さん」、先輩の芸舞妓を「お姉さん」と呼ぶことに通じますね

 西尾 花街の人間関係やキャリア形成を知ることができる本なので、舞妓を目指す子たちの入門書にもなりました。屋形のお母さんが渡すことがあるようで、デビュー前の仕込みさんが「あの本の人ですか!? 読みました」といってくれはったこともあります。

 --まさに花街の関係者が認めた研究ですね

 西尾 それと、全く予想していなかったんですが、看護関連の学会から講演を頼まれたんです。

 --看護師さんですか?

 西尾 はい。新人やベテランを問わずにチームで仕事をし、短期間でスキルを上げ、顧客である患者さんに心を寄せるところが芸舞妓と共通する、というわけです。ほかにも、顧客の要望をくみ取りながら専門職を育てる業界、たとえば介護やシステムエンジニア(SE)の勉強会にも呼ばれましたね。

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