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【杉村一郎の教育漢字考】(74)視力の良い鳥はミミズク?

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【杉村一郎の教育漢字考】
(74)視力の良い鳥はミミズク?

スマホ撮影に応じるユーラシアワシミミズク。「観」の「隹」は視力の良い鳥のことだと言う

 見る行為を表し、「み-る」と訓読する漢字は「見、診」。このほか、「視、覧、観」や「看、省、監、督、閲、察」など実に多くの種類があるが、常用漢字表に「み-る」の読みがあるのは「見、診」だけ。それ以外の「み-る」は当て字となる。

 また、「診」は「患者を診る」「血圧を診る」など診察の意に限定されるので、「見」の字が、調べる「エンジンの調子を見る」「運勢を見る」▽世話をする「親を見る」「面倒を見る」などのように「み-る」の読みを一手に引き受けている。“孤軍奮闘”といったところか。

 大きな「目」の下に「人」を置いたのが【見】「見〔1〕」「視〔6〕」の旧字の音符「示」は指し示すを表す。気を付けて見る「監視、視察」と用い、「見る」に比べると能動的な印象がある。

 張莉・元同志社女子大准教授も次のように分析する。「(視と見は)LOOKが自分から注意して見ることをいい、SEEが自然に見えてくることを表すのと相似している」(『五感で読む漢字』)

 「展覧、一覧」の「覧〔4〕」は「監+見」。水を入れた鏡(盤)に映った自分を見る意。一定方向から目を通すというイメージが強い。

 「観〔4〕」の偏の位置にある「隹(ふるとり)」は鳥。鳥は視力が良いとみて、「観」の構成要素に用いた、といわれる。どんな種類の鳥かというと、フクロウと同類で夜目の利くミミズク(とんがった羽角があるのが特徴)のほか、コウノトリ、サギ、トキなどなど。辞書によって当てる鳥はさまざまだ。「隹」を用いるのは鳥占いが由来との考えもある。

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