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【経済裏読み】怒号飛び交う抗議デモ…中国系企業のニカラグア運河建設の波紋、米もいらだち

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【経済裏読み】
怒号飛び交う抗議デモ…中国系企業のニカラグア運河建設の波紋、米もいらだち

 民間企業を通じてでもニカラグア運河の“権益”を手中に収めれば、中南米の港湾や海上輸送の拠点をおさえられ、中国の船舶は太平洋と大西洋を容易に行き来することが可能になる。しかも、ライバルとなるパナマ運河は米国の強い影響下にあり、米国への大きな牽制手段を手にできる。

 中国は近年、中南米諸国への活発な「支援外交」を展開している。国際市場から事実上締め出されたアルゼンチンに対し、ダム建設などで巨額融資を表明。中国主導で設立する開発銀行を通じた援助への憶測も浮上する。そこには、米国と中南米の間にくさびを打ち、影響力を強めるしたたかな戦略が透けてみえる。

 ニカラグアは台湾と国交があるが、中国と外交関係がない。一見すると中国と疎遠だが、実は国交がないのを逆手にとり、民間主体のプロジェクトという形式をいわば隠れみのにして、米国などからの批判もかわしやすい。ニカラグアのオルテガ大統領が反米姿勢なのも中国には好都合だ。

 逆に米国にとっては当然面白くない事態だろう。ロイター通信によると、在ニカラグア米国大使館は、環境への影響などの詳細が明らかでなく、「情報開示の不十分で、事業の透明性が確保されるか懸念している」との見解を表明した。

 中国としては、ニカラグア運河を一日でも早く完成させ、インフラ整備の実績をアピールしたいところだが、摩擦は強まりそうだ。

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