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【日本人の座標軸(27)】教育理念まとめた「開門の章」現在でも中・高生の座右の書に

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【日本人の座標軸(27)】
教育理念まとめた「開門の章」現在でも中・高生の座右の書に

兵庫県立高校の入学式。教育理念をまとめた「開門の章」を読んでほしい

 但馬出身で2人目の文部大臣になった久保田讓(1847~1936年)は全国の中学校を視察し、宮崎県立都城中学の近藤英也校長に目がとまった。「是非、我が故郷の豊岡中学校長に就任してほしい」と懇請する。近藤は明治38年から大正8年まで14年間、豊岡中学校長を務め、多くの有為な人材を育て、豊中の黄金時代を築いた。

 その後、第三神戸中学校(現兵庫県立長田高校)の創設に伴い、初代校長として転任。創立10周年記念式典に際し、かねてから抱いておられた教育理念をまとめ、成文化されたのが『開門の章』である。

 さて、『開門の章』には何が書かれているか。「一、序文」から「十、卒業の資格」まで十章あり、特筆すべきは「二、入門第一の章」である。その注目すべき章の概要を抜粋する。

 《一、第三神戸中学校に入るものは先づ「入門第一の鍵」といふものを握らなければならぬ。此の鍵を握ることが出来なければ折角入学しても畢竟(ひっきょう)従事となる外ない。

 二、「入門第一の鍵」を握るとは「願」を立ることである。(中略)

 三、軽い意味の志やただの希望といふような事は「願」とはいへない。神を動かし佛をも感じさせるやうな強い強い願ひのことである。

 四、「願」は強く考へて自ら悟るべき「一大事」にして他人より貰ひ受け又は教へ授けられて出来ることではない。父兄や先生の意見を聞き指導を受くることはもとより必要であるが、結局「一代の間に自分は如何なる人物となり、何を目当てに活きて行くべきか」といふことについて深く自ら考えた結果でなければならぬ。

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