産経WEST

【奈良 おもてなしの達人(1)】「料理は味だけでなくストーリーが必要」フレンチレストラン「ル・ベンケイ」オーナーシェフ、尾川欣司さん(69)

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【奈良 おもてなしの達人(1)】
「料理は味だけでなくストーリーが必要」フレンチレストラン「ル・ベンケイ」オーナーシェフ、尾川欣司さん(69)

「非日常」を演出する店を案内する尾川欣司さん

 平成25年に日本を訪れた外国人は1036万人(日本政府観光局調査)で、初めて年間1千万人を超えた。昨年も1月から11月までの累計が約1218万人(同)で、年間1300万人を超える見込みという。社寺や史跡、自然環境を資源としてきた奈良県の観光も、5年後の訪日外国人旅行者数2千万人の高みに向け、新たな展開が求められている。奈良の観光を支え、未来につなごうとしている「おもてなしの達人」たちを紹介する。

 緑豊かな約2千坪の敷地に建つのは、ヨーロッパの豪邸か城かとも見まごう立派な洋館。巨大な扉を押し、エントランスホールに入ると、世界は一変する。黒大理石の床、白い塗り壁には間接照明がやわらかな陰影をつくり、家具は重厚で落ち着いた雰囲気。流れる時間はゆったりとしていて、静かで温かい非日常の空間に、そっと包み込まれる。

 奈良を代表するフレンチレストラン「Le BENKEI(ル・ベンケイ)」(大和郡山市)。オーナーシェフの尾川欣司さん(69)が郡山城の武家屋敷地だったこの地に店を開いたのは昭和50年。まだ県内に洋食を出す店は少ない時代、30歳でレストラン「辨慶(べんけい)」をオープンさせた。本格フレンチをメーンにしたのは10年後。平成12年には建物を全面リニューアルした。今年で40周年を迎える店には、皇室や各国のVIPも訪れている。

 「日本文化は奈良で始まった。都があった奈良は、日本で最もおいしい酒や食べ物が集まったところで、日本の食のルーツでもある。美食に恵まれた先祖のDNAが、現代のわたしたちにも引き継がれているはず」。海がないため「うまいものなし」といわれてきた奈良で店を開いたのには、熱い思いがあった。

  ※  ※  ※

 現在は5代目が営む大和郡山市の老舗料理旅館の次男。日本料理が身近な環境で育ちながら「フレンチに魅せられて」、独学と食べ歩きで腕を磨いた。

このニュースの写真

  • 「料理は味だけでなくストーリーが必要」フレンチレストラン「ル・ベンケイ」オーナーシェフ、尾川欣司さん(69)
  • 「料理は味だけでなくストーリーが必要」フレンチレストラン「ル・ベンケイ」オーナーシェフ、尾川欣司さん(69)
  • 「料理は味だけでなくストーリーが必要」フレンチレストラン「ル・ベンケイ」オーナーシェフ、尾川欣司さん(69)

「産経WEST」のランキング