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【坂口至徳の科学の現場を歩く】緑茶カテキン実は効果薄…抗ウイルス力増強に成功、インフル99.9%予防マスク 阪大「産研」が開発

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【坂口至徳の科学の現場を歩く】
緑茶カテキン実は効果薄…抗ウイルス力増強に成功、インフル99.9%予防マスク 阪大「産研」が開発

カテキン誘導体を作用したインフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真(大阪大学産業科学研究所提供)

【ベテラン記者のデイリーコラム】

 緑茶の渋み成分であるカテキンという物質は、ウイルスや細菌を排除する作用があることは科学的に知られている。しかし、天然のカテキンの作用は医薬品になるほどは強くなく、変性してしまったり、飲んでもすみやかに消化されたりするので効き目はあまり持続しない。この抗ウイルス力が増強できれば、新型インフルエンザや鳥インフルエンザのウイルスや、薬剤耐性菌などさまざまな感染症の病原体の蔓延(まんえん)が予想される時代に有力な予防、治療の手段を得ることになる。

■脂肪酸つけて先導役、膜を破壊… 強化カテキン染みこませ

 大阪大学産業科学研究所の開發邦宏特任准教授らは、天然のカテキンに脂肪の成分である脂肪酸を結合させた化合物(カテキン誘導体)をつくり、これにより、ウイルスなどさまざまな病原体の膜を破壊することに成功した。病原体が細胞に取り付き感染するのを防ぎ、初期段階で退治できる可能性がある。大学発ベンチャーでは、このカテキン誘導体を染みこませたウイルス感染対策マスクをつくり、近く発売する。

 ウイルスは表面にイガ栗のような突起(スパイク)が出ていて、これを足がかりにヒトなど宿主の細胞膜に接着し、内部に侵入する。天然のカテキンの作用はこのスパイクの先端を塞いで入り込めなくするものだが、その防御の効率は充分ではない。そこで開發特任准教授らは、「スパイクの根元のウイルス本体の表面に直接、カテキンが付着すれば膜の構造が変化して破壊され、効率的に退治できる」と発想。ウイルスの膜には脂質が含まれるので、これとなじみやすい脂肪酸を先導役にしてカテキンを膜に運び込む方法を考案し、脂肪酸をカテキンに結合させた誘導体をつくった。

 これはカテキンの中でもっとも抗ウイルス機能が高い「エピガロカテキンガレート(EGCG)」という物質の誘導体。実験では、培養細胞などを使い、ウイルスの感染をどれだけ阻止できるかを調べた。

インフルや、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌など…わずか30分で退治

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