産経WEST

【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(5)】一夫多妻、〝女子割礼〟…安直な尊重「文化の違い」では、何も解決しない 立命館大准教授、小川さやかさん

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(5)】
一夫多妻、〝女子割礼〟…安直な尊重「文化の違い」では、何も解決しない 立命館大准教授、小川さやかさん

「アフリカの経済圏がどう動くか興味が尽きない」と意欲的に研究に取り組む小川さん(恵守乾撮影)

 タンザニアに単身飛び込み、計3年半、古着の行商人を経験した立命館大先端総合学術研究科准教授、小川さやかさん(36)。異色の研究者が土ぼこりの中で見聞きしたアフリカの「路上経済学」、そして、真の「多文化共生」とは。(聞き手 内山智彦)

 --民族間の文化のすれ違いは、国際関係で永遠のテーマです

 小川 文化人類学を用いて文化をめぐる問題を考えるという講義も担当しています。文化人類学自体が、かつては植民地支配の強化や、欧米の価値基準を広めることに加担したこともあります。文化をめぐる対立が政治的な問題に発展することもあるなか、文化人類学のあり方が問われているといえます。

 --研究課題でもある多文化共生が必要ですね

 小川 でも、とても難しい。例えば、アフリカ諸国の一部などでは現在でも女子割礼(性器切除)を実施している地域がある。家畜や女性を他所からさらってくることが一人前の男とみなされる文化もある。でも、「すべての文化を尊重しましょう」という文化相対主義の立場に立つと、人権や生命にかかわる慣習を批判することは難しくなる面もあります。

 --確かにそうです

 小川 ただ、異文化の尊重は「文化が違えば何もできない」を意味しません。例えば、現地の女性は女子割礼をしないと結婚できないことになっている。ということは婚姻制度を考えなくてはならない。調べてみると一夫多妻制を取る地域。一夫多妻制は、ある意味で土地・財産の相続権と家事を妻たちで分け合う仕組み。ならば、これらの仕組みができたのはなぜかという背景の文化や社会構造の問題、価値観を解きほぐすことが必要。そこで長期のフィールドワークが重要になる。やはりともに暮らして理解し、そこから解決策を探るしかない。

 --アフリカの路上から見えたことから、ひるがえって日本の家庭で言えることは

「うーん、日本の家庭…専門外(笑)。ただ、日本の若年ホームレスについて…」

「産経WEST」のランキング