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【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(3)】ウジャンジャ(ずる賢い知恵)は、自分だけでなく他者も生きる仕組みができている…立命大准教授、小川さやかさん

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【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(3)】
ウジャンジャ(ずる賢い知恵)は、自分だけでなく他者も生きる仕組みができている…立命大准教授、小川さやかさん

タンザニア時代、近所で暮らしていた家族と小川さん(右端)=2003年(小川さん提供)

 タンザニアで3年半、古着の行商人を経験した立命館大先端総合学術研究科准教授、小川さやかさん(36)。異色の研究者が、アフリカの「路上経済学」の現実と未来を語る。 (聞き手 内山智彦)

生きる知恵…たかり・たかられ、磨かれる「道徳」

 --タンザニアで行商人が増える背景は何でしょう

 小川 急激な都市化で地方から市街地への若者の流入が続いていますが、企業などへの正規雇用は2割。あぶれた若者がたどり着くのが、大きな資本が必要ない行商です。彼らが言うには「俺たちにはカネもコネもない。だけど、ウジャンジャ(ずる賢い知恵)がある」。

 --ずる賢さという生きる知恵があるんでしたね

 小川 財産も特別な才能もない人が生き抜くには、知恵が重視される。人と渡り合う知恵、ピンチを切り抜ける知恵。タンザニアでは、どんなに貧しくても自分で生きぬくことを考えないといけない。社会保障制度が十分でないなか、知恵で生き抜くしかない。

 --知恵はどんな場面で発揮されますか

 小川 行商人と客の値段交渉が面白い。行商人が「昨日から何も食べていない。買ってくれよ」と言葉をかけると、客は「妻が病気だ。安くしてよ」といった具合。互いに素早く相手の懐具合などの状況を読みあい、「より高く」「より安く」を競い合う。値段が決まった後は、お互いにそれを心を動かされた対価と考える。

 --小川さんもコンビを組んだ仲間と「痴話げんか作戦」を展開しました

 小川 ウジャンジャが面白いのは、自分だけが生き抜くためだけでなく、他者も生きる仕組みができていることです。

 --自分の利益追求だけではないのですか

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