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【人生の楽譜IV(1)】日本を襲う「人手不足」の波… 24時間ピンチのコンビニ、ものづくり企業も廃業

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【人生の楽譜IV(1)】
日本を襲う「人手不足」の波… 24時間ピンチのコンビニ、ものづくり企業も廃業

 日本商工会議所が7月末に公表した製造、サービスなど5業種の中小企業約3100社への調査結果に、企業側の苦悩が表れた。外部委託などのコスト増、納期遅れ…。調査では、半数近くが「人手不足の影響がある」と回答した。

 景気の回復傾向は新卒者の大手志向に拍車をかける。近畿4府県の労働局が6月、大阪市で開いた大学4年生向けの中小企業面接会では、経営者の期待を裏切り、前年参加者(1708人)の半数あまりの951人しか集まらなかった。

 「これほど人が来ないとは」。大阪労働局の小川寿・地方職業指導官(50)は「人材難の厳しい状況は、しばらく続くのではないか」と憂慮する。

経営難でもないのに、廃業

 労働力不足の波は、日本のお家芸である、ものづくりの現場をも揺るがそうとしている。

 「本来なら、経営が続けられる会社をつぶすなんてばかげている。でも、限界だったんです」

 大阪府東大阪市の鋳物部品メーカー、丸高鋳造は今年6月末、創業55年の歴史に幕を閉じた。小ロット生産を基本とし、大手にはできない発注元の細かな要望に応えられる強みを売りに、黒字が続いていた。廃業の要因は経営難ではなく、人材難だった。

 「高賃金でもきつい仕事は選びたがらない若者が増えた。やっと入っても、数日で何も言わずに来なくなった」。高井祥弘(よしひろ)社長(70)が振り返る。

 冷房が効かない工場内で溶かした鉄を流し込む作業は、夏場は特に過酷を極める。ほこりにまみれ、仕事が終わるころには全身真っ黒になる。なおかつ、職人として一人前に育つには、10年近い歳月を要する。

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