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【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(2)】客の前での「痴話げんか作戦」 生き馬の目を抜く世界で生きる知恵 立命館大准教授、小川さやかさん

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【アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(2)】
客の前での「痴話げんか作戦」 生き馬の目を抜く世界で生きる知恵 立命館大准教授、小川さやかさん

タンザニアで、古着の行商人仲間と談笑する小川さん(前列左端)=2004年(小川さん提供)

 タンザニアに単身飛び込み、計3年半、古着の行商人を経験した立命館大先端総合学術研究科准教授、小川さやかさん(36)。異色の研究者が土ぼこりの中で見聞きしたアフリカの「路上経済学」とは。 (聞き手 内山智彦)

 --古着の行商のコツはどう身に付けましたか

 小川 もちろんマニュアルなどはなく、自分で考えるしかない。最初は、寄ってくる人の8割がひやかし目的。「彼氏はいるのか」「俺と結婚するか」と話しかけてきたり、ひわいな言葉を掛けてきたりとバラエティーに富んでいました。

 --やっかいですね

 小川 ジョークで切り返すんですよ。「結婚するか」には「婚約者がいるからだめ。でも独身の兄弟がいるわよ」。現地の言葉では兄弟も姉妹も同じ単語ですが、相手は姉妹だと思って「紹介しろよ」と興味を示してくる。すると、すかさず「あなた男性も大丈夫なの」。最後は笑いが起きます。冗談を言い合う関係になり、常連客になった人もいます。

 --技術が向上してきた

 小川 慣れると、いろんな作戦を取り入れました。コンビを組んだロバートと、わざと客の前で激しい言い争いを始める。すると、客がなだめてくれ、商品を買ってくれることがありました。名付けて「痴話げんか作戦」(笑)。場所選びもポイントです。給料日に、銀行の近くに売りに行くとか。

 --行商って、何らかの組織に属しているのですか

 小川 タンザニアでは企業などの正規雇用者は2割。残りは零細自営業者と日雇い労働者です。行商人も自営業。街中にいる中間卸商に頼み込み、商品を信用取引で渡してもらう。お金はあとで、売った枚数分の仕入れ代として中間卸商に支払うシステムです。面白いのは、中間卸と行商人は単純な主従関係ではないことです。

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