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【虚偽表示1年】(下)「おにぎりで死亡」の報告例も…生死さえ左右しかねない情報提供

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【虚偽表示1年】
(下)「おにぎりで死亡」の報告例も…生死さえ左右しかねない情報提供

使用した旨の表示が義務付けられた特定原材料とそれに準ずるもの。どう消費者に正確に情報提供できるかが課題だ。

 「おにぎりで死亡」

 消費者庁が昨年12月にまとめた「事故情報分析タスクフォース報告書」の38ページに、そんなショッキングな記述がある。

 卵アレルギーの子供がマヨネーズ入りのおにぎりを食べ、アナフィラキシーショックで死亡した-。市販商品の表示に問題があったという。

 卵や乳、小麦などの代表的なアレルギー食材(7品目)は「特定原材料」として、食品衛生法に基づき加工食品への表示が義務付けられている。

 ただし、特定原材料を含むことが予想できる場合は省略が可能だ。たとえば、材料に「マヨネーズ」とあれば、わざわざ「卵を含む」と書く必要はない。

 ところが、卵抜きの豆乳マヨネーズなどの普及で、「マヨネーズ=卵」と連想できない子供も出てきた。

 冒頭の報告について、同庁の担当者は「追跡調査ができておらず、詳しいことは分からない」というが、死に至らずとも、同様の理由でアレルギーを起こしたという例は少なくない。

 同庁が複数の患者団体などから聞き取りを行ったところ、「価値観はどんどん変わっていく。常識に頼った表示はやめてほしい」との要望が出た。これを受け、国は来春以降、こうした省略表記を廃止する方針を決めた。

◆ ◆ ◆

 アレルギー食材をめぐる情報伝達の課題は全国のホテルやレストランで起きた一連のメニュー虚偽表示問題でも浮き彫りになった。

 近鉄系の旅館「奈良万葉若草の宿三笠」(奈良市)では昨秋、「和牛ステーキ」などのメニューで、実際は豪州産の成型肉を使っていたことが明るみに出た。それだけでなく、成型肉のつなぎ成分にアレルギー食材の乳や小麦、大豆が含まれていたことにさらに批判が高まった。

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