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【衝撃事件の核心】「包丁投げたら刺さった」はウソ…やきもち夫にキレた妻「不慮の事故死」主張も、判決は「一刺しした」

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【衝撃事件の核心】
「包丁投げたら刺さった」はウソ…やきもち夫にキレた妻「不慮の事故死」主張も、判決は「一刺しした」

夫婦円満アピールも…

 女は被告人質問を通じ、あくまで「不慮の事故死」を主張し続けた。事件前日、店内に流す音楽を探すため、夫と2人でCDショップに寄り、人気グループ「EXILE」の2枚組CDを購入したエピソードも披露。証拠提出されたCDを弁護人から示され、声を詰まらせながら「2人で買った思い出の品です」と答え、夫婦仲が事件直前まで良好だったことをうかがわせた。

 しかし、友人女性は被告人質問に先立つ証人尋問で、女から事件前の昨年秋、「離婚したい」という話を聞いていたと証言していた。夫婦でつかみ合いのようなけんかをしていたことや、女が自分の長男に「けんかして嫌や」と夫への不満を口にしていたことも明らかにしたのだ。

 これに対し、女は「離婚したいといったことはあるが、日常的なグチだった」と反論。夫について「接客中の様子を『オレといるときより楽しそうやなあ』とか、やきもちを言うことはあったが、基本的に仲は良かった。客の前で大きな声で文句を言われたのは、事件のときが初めてだった」と釈明した。

「理不尽な言動」考慮

 結局、判決は女の主張をほとんど認めることはなかった。

 まず、夫の包丁の傷が深さ約10センチまで達していることから「背中に相当な勢いで当たった」と認定。深い傷ができるほどの勢いで夫が意識的に背中を向けて後退することは「到底考えられない」とした。後退してつまずいた可能性も「通常は体重がかかったりするが、(女自身が)そのような状況はなかったと供述している」と否定した。

 さらに、「包丁を投げたら刺さった」との当初の供述についても検討。包丁を振りかぶって投げた場合、「包丁が回転運動することなどを考えると、包丁が衣服に短い裂け目しか残さず、10センチに達する深さまで刺さることは常識的に考えにくい」として、この供述も合理性が低いと判断し、女が夫の背中を包丁で突き刺したと結論づけた。

 一方で判決は、夫が病気で働けず生活保護を受給しており、家計を支えようと居酒屋で働いていた女の境遇にも言及した。やきもちから女を非難した夫の「理不尽な言動」によって、女が強い憤りを抱いたことは理解できるとした上で、量刑について「被告人に対する非難の程度を考える上で幾分考慮する必要がある」として、懲役9年の求刑に対し懲役6年にとどめた。

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