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【私の時間 シネマ】「憎しみの連鎖ではない、2度と繰り返さないために」被爆者の遺志継ぎ「平和」「命の大切さ」を訴える 映画「アオギリにたくして」

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【私の時間 シネマ】
「憎しみの連鎖ではない、2度と繰り返さないために」被爆者の遺志継ぎ「平和」「命の大切さ」を訴える 映画「アオギリにたくして」

映画「アオギリにたくして」の1シーン

平和は水や空気と同じ

 俳優はインターネット検索などで調べて出演依頼。自主映画も、原日出子、渡辺裕之、風見しんごらが有名俳優も出演してくれた。

 脚本、監督は作家として活躍する兄が手掛けた。主人公を彼女の人生をたどる記者の目線から追ったのは「記者役は、自分を含む皆さん。これからを担う人たちが自分のこととして考えてほしいから」と話した。

 意識の高い人だけが見る作品には決してしたくなかったという。というのも、「私がそうではないから」と中村さん。東京五輪が開催された昭和39年生まれ。両親は幼い頃、戦争を体験しており、戦時中の話を聞かされて育った。「当時、麻酔薬は貴重。母は麻酔薬なしで盲腸の手術したとか。でもあまり深くは考えてはいなかった」

 短大卒業後、テレビ局のアルバイトで反戦関連の新聞記事の切り抜きをしていた時、ボランティアの募集記事を見つけた。「米国の子供たちに原爆の記録映画を見てもらうもの。米国で英語を勉強したいと思っていたなと思い出して応募を」と笑う。

 度胸、根性、愛嬌と声の大きさを買われて合格。その研修として、多くの被爆者たちの話の聞き取りをする。中村さんが22歳の時に出会ったのが沼田さんだった。それまでに会った被爆者から「被爆体験のない人には伝えられないでしょ」と言われたこともあった。が、沼田さんは「平和は水や空気と同じ。なくなると、人として生きるのは苦しい」など分かりやすく思いを伝えてくれたという。

 「沼田さんは、憎しみの連鎖ではなく、2度と繰り返さないために伝えたいのだと。誰しも自分のできる何かがあると教えてくれた。私自身が、人としての生き方を考え直すキッカケになりました」

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