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【衝撃事件の核心】「豊田商事」上回る最悪被害「安愚楽牧場」、日本を“詐欺天国”にしてしまった農水省と消費者庁の“罪”

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【衝撃事件の核心】
「豊田商事」上回る最悪被害「安愚楽牧場」、日本を“詐欺天国”にしてしまった農水省と消費者庁の“罪”

経営破綻した「安愚楽牧場」をめぐり、国の責任を追及する国家賠償訴訟を大阪地裁に起こした原告の女性(中央)や弁護団。約4200億円もの資金を集めた和牛オーナー制度が行き詰まり、あの豊田商事事件を上回る消費者被害となった=7月25日、大阪市北区 経営破綻した「安愚楽牧場」をめぐり、国の責任を追及する国家賠償訴訟を大阪地裁に起こした原告の女性(中央)や弁護団。約4200億円もの資金を集めた和牛オーナー制度が行き詰まり、あの豊田商事事件を上回る消費者被害となった=7月25日、大阪市北区

 「国が応援しているという社長の言葉を信じたばかりに…」。約7万3千人から約4200億円もの資金を集めた和牛オーナー制度が行き詰まり、平成23(2011)年8月に経営破綻した「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)。虚偽の説明で出資者を勧誘したとして、元社長らは特定商品預託法違反の罪で実刑判決を受け控訴中だが、戻ってくるはずの資金が消えた出資者らの怒りは収まらない。実在の牛の数が契約数より不足する状態だったのに見逃したとして、牧場を指導・監督する立場だった国の責任を問う国家賠償訴訟も7月までに大阪など各地で起こされた。豊田商事事件を上回る史上最大の消費者被害事件。国側に被害拡大を食い止める機会はあったのか。

「みんな大好きだった」

 7月25日、大阪司法記者クラブ。国の対応放置が被害拡大の一因になったとして、関西の出資者ら142人が総額約4億3千万円の国家賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こし、一部の出資者らが記者会見に臨んだ。

 「みんなバカだと思うかもしれないが、私たちは『口蹄(こうてい)疫で指摘を受けているが、国も応援してくれている。畜産を日本からなくしてはならない』という元社長の言葉を信じたんです」

 平成7年以降、総額約7200万円を出資したという兵庫県内の女性は、元社長の三ケ尻久美子被告(70)=特定商品預託法違反罪で1審有罪、控訴中=が涙ながらに訴えた様子を振り返った。23年4月下旬、神戸市北区の神戸フルーツ・フラワーパークで開かれた出資者対象のパーティーでのことだ。

 安愚楽牧場が宮崎県内で経営していた複数の農場では22年、口蹄疫が相次いで発生。計約1万5千頭の牛が殺処分された。さらに、農場の一つで口蹄疫の兆候があったのに通報していなかったとして、宮崎県から23年4月、文書で改善指導された。

 パーティーはこの直後に開かれた。もちろん「国が応援」という元社長の言葉は方便に過ぎなかった。

 「元社長が大好きだった。経営陣みんなを信じていたんです」という女性。パーティーの約3カ月後、安愚楽牧場から出資者全員に経営破綻したことが通知されたが、女性は牧場の復活を信じてエールを送ったという。

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