調査捕鯨中止、学校給食に「影」 和歌山でクジラの竜田揚げ産地変更

 小中学校の給食用にクジラ肉を販売している和歌山県学校給食会(和歌山市)は、日本政府による南極海での調査捕鯨中止を受けて、9月から販売するクジラ肉をこれまでの南極海産ミンククジラから、北西太平洋産のイワシクジラなどに変更することを決めた。南極海産の在庫が1学期中に底をつく見込みとなったことが理由で、捕鯨問題が学校給食にまで影響することになった。

 南極海での調査捕鯨は今年3月、国際司法裁判所(ICJ)が中止命令を下し、政府が中止を決定。現在は北西太平洋で調査捕鯨を行っている。

 学校給食用のクジラ肉は、日本鯨類研究所(東京)が共同船舶(同)に販売を委託。県内では、共同船舶から太地町開発公社を介して、県学校給食会が南極海のミンククジラの肉を年間18トン程度仕入れ、県内のほか東京や神奈川、近畿各府県の学校給食会などに販売している。学校では「クジラの竜田揚げ」などとして提供され、子供たちの人気メニューとなっている。

 しかし、ミンククジラ肉の在庫は1学期中になくなってしまう予定だといい、県学校給食会が太地町開発公社に引き続き給食にクジラ肉を出したいと打診。2学期から北西太平洋のイワシクジラとニタリクジラの肉を販売することができるようになったという。

 給食でのクジラ肉の提供は、昭和57年に国際捕鯨委員会(IWC)が大型鯨類を対象とした商業捕鯨の一時停止を決めたことを機に姿を消したが、県内では、「クジラの肉を食べる文化を継承したい」と県教委や太地町が検討し、平成17年に再開された経緯がある。

 県学校給食会の岩井達之副理事長は「クジラ肉は人気メニューの一つ。今回も何とか提供し続けたいと検討してきた。給食を通して県下の食文化を子供たちに伝えていきたい」と話した。

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