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【関西の議論】世界遺産都市「姫路」が処理できない“負の遺産”…高度経済成長の夢の跡、廃線「モノレール」軌道が撤去されぬ理由

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【関西の議論】
世界遺産都市「姫路」が処理できない“負の遺産”…高度経済成長の夢の跡、廃線「モノレール」軌道が撤去されぬ理由

 また23年には手柄山旧駅舎を改修して「手柄山交流ステーション」として開館。モノレール展示室を設置して車両などの資料を集約させた。一方、高架軌道については改めて時間をかけて完全撤去を目指す方針とした。

完全撤去できない理由とは

 撤去が進まないのは財政上の問題ばかりではない。姫路-手柄山の中間にあった大将軍駅周辺のルートでは、高架軌道近くに事務所やアパートが建てられ、軌道周辺の土地が建物で密集。長さ10メートル、重さ40~80トンの橋げたを両端からつり上げて撤去するには、通常200~400トン規模の大型クレーンが必要だが、道路上に重機が入り込む十分なスペースを確保できない問題が生じている。

 市管財課は「今後も撤去作業の工法などについて、コンサルタントなど専門家に意見を求めて、よい方法がないか検討していく」としている。

 その一つとして、軌道跡に沿って流れる船場川の渇水時に大型の重機を乗り入れ、川側から橋げたをつり上げる方法も検討されているが、この方法だとさらに費用がかかることになる。市は「できるだけ早く完全撤去したいが、財政面からみても数年ではとても無理」という。

 大阪万博(昭和45年)に先だって開かれた姫路大博覧会とともに、“夢の交通”として脚光を浴びたモノレール。その後処理の問題は、観光の目玉で大改修の進む姫路城とは対照的にこの先さらに10年、20年と要しそうな難題として市を悩ませている。

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