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【駅グルメ探検隊】阪神・尼崎駅 大貫本店

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【駅グルメ探検隊】
阪神・尼崎駅 大貫本店

未知との遭遇 102年の深~い味

 阪神・尼崎駅前の中央商店街といえば、プロ野球開幕前に阪神タイガース優勝祈願を兼ねた「日本一早いマジック点灯式」が行われるなど熱狂的な虎党の街。年間を通してさまざまなイベントが開かれ、お祭り好きの街としても知られている。

 今回、訪れたのは、本通りの喧噪(けんそう)からほんの少し離れたところにある神戸・旧居留地発祥、創業102年の「大貫本店」。創業時から追い足し継ぎ足しされた秘伝の熟成醤油(しょうゆ)ダレを使った、中華そばと焼き飯が名物の店だ。

 四代目の千坂創(はじめ)さん(41)は「詳しくはいえませんが、チャーシューを作るときに出る煮汁を中国から伝わった極意で…」。なんだか煙に巻かれたようだが、企業秘密だから当然か。「まずは食べてみてください」の勧めに従い、一番人気の中華そば(850円)と焼き飯(並950円)の黄金コンビを注文。

 まずは焼き飯。普通の焼き飯と違って色が黒っぽい。そう、この色の正体は熟成醤油ダレ。直径130センチの大鍋で一度に50人前ほどを炒める際、「しっかりタレを米の中に閉じ込める」(千坂さん)といい、注文があってからさらに味を調えて客に出す。一見、しょっぱそうな印象だが、意外にも塩気はそれほど強くなく、言葉では表せない深みがある。

 熟成醤油ダレの威力をより感じられるのが中華そば。タレに豚骨と鶏ガラのスープを注いだスープは、コクがあって、かすかに酸味がする。これが102年の熟成の味か。もちろんスープだけではない。千坂さんが毎朝、足踏みしてこしらえる自家製たまご麺はぷりぷり、つやつや。分厚いチャーシューも絶品。これら“精鋭部隊”が醸し出すハーモニー、まさに未知の味わいだった。

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