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【関西の議論】5年絶食の深海生物「ダイオウグソクムシ」衝撃、死因は「餓死」ではなかった…胃に謎の液体・菌、「食べなくても生きる」秘密か

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【関西の議論】
5年絶食の深海生物「ダイオウグソクムシ」衝撃、死因は「餓死」ではなかった…胃に謎の液体・菌、「食べなくても生きる」秘密か

 果たして、No.1の液体から検出された酵母様真菌は、食べないという状態にもかかわらず、空腹感を忘れさせ生きながらえる作用をもたらす存在なのか。大きな仮説が生まれた。

 一方、No.1の消化管全体に炎症や変色はなく、過去に解剖した個体よりも状態がよかった。甲羅の裏側などの肉も痩(や)せているように見えなかった。捕食している個体と同様に長期間の絶食を経たとは思えないような健全さをうかがわせた。こうした状態から、森滝さんは「直接の死因はわからないが、餓死したという状況ではない」と判断。不老要素が酵母様真菌に含まれている可能性も浮上した。

 真菌について森滝さんは「初めて見るもので、まったく正体が分からない」と話す。ただ寿命との関係よりもまず、絶食との関わりあいに注目し、「体内でどのように作用していたのか」を解明したいという。

 No.1から採取した消化管内部の液体は、健康診断で採取した血液などを分析する三重県伊勢市内の臨床検査センターにも送り検査した。その絶食の偉業が長寿と関係するなど、大きな発見につながる可能性も期待されたが、結局、検査で液体の正体は分からなかった。

 ダイオウグソクムシは約10年前に「変な生き物」ブームで脚光を浴びるまで見向きもされなかった。この生物に関する論文は海外に数件しかなく、いずれも何を食べたかという胃の内容物などを記しているだけで生態の詳しい研究は進んでいない。

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