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【関西の議論】神戸100年の洋館「旧ジョネス邸」解体危機…9月中に3億6000万円集まらなければマンション

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【関西の議論】
神戸100年の洋館「旧ジョネス邸」解体危機…9月中に3億6000万円集まらなければマンション

 神戸市垂水区の海沿いに建つ大正時代の洋館「旧ジョネス邸」がマンション開発による解体の危機にさらされている。和洋折衷のデザインが随所に取り入れられた独創的な同邸は、かつて「洋館の街」として栄えた街の面影を残し、兵庫県の近代文化遺産にも選ばれた歴史的建造物。100年近く地域とともに歴史を刻んできた街の宝を守ろうと、地元住民らが保存活動としては珍しいとされる合同会社を立ち上げた。マンション開発を計画する業者から土地・建物を買い取り、解体を回避して保存活用を目指しているが、買い取り費用は3億6千万円に上り、期限は9月末と現実のハードルは高い。(有年由貴子)

浮上したマンション開発

 反り返った寺院建築様式の屋根、古代ギリシャ建築の神殿のように中央部に膨らみを帯びた柱…。神戸市西部のJR塩屋駅すぐ近くにたたずむ旧ジョネス邸は木造2階地下1階の古い洋館だ。潮の香り漂う小さな街の一角にある。屋内には和室も備え、壁には鶴や松を描いたステンドグラスがはめ込まれていたという独特の赴きを持つ。

 「当時の外国人が思う『東洋っぽいもの』を詰め込んだ“偽和風”の洋館といったところでしょうか。ここは塩屋の玄関口。街のシンボルとして街並みに溶け込み、住民に親しまれてきたんです」

 塩屋まちづくり推進会副会長の松本徹さん(66)がこう話す旧ジョネス邸に今年3月、マンション開発の話が持ち上がった。

 塩屋地区でマンション建設を進める「穴吹興産」(本社・高松市)が建物と土地を購入し、旧ジョネス邸を解体した跡地に10階建てマンションを新築する計画を地元住民らに提示したのだ。

こぎつけた着工延期

 「もうこれ以上、塩屋から洋館を減らしたらあかん」。マンション開発計画を受け、地元住民らが立ち上がった。

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