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【関西の議論】「真っ赤で金ピカ」か「古色・わびさび」か、平等院鳳凰堂「平成の大改修」めぐり研究界“侃々諤々”

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【関西の議論】
「真っ赤で金ピカ」か「古色・わびさび」か、平等院鳳凰堂「平成の大改修」めぐり研究界“侃々諤々”

 平等院鳳凰堂(ほうおうどう)(京都府宇治市)といえば、十円硬貨の絵柄にも採用されている日本を代表する名建築だ。その鳳凰堂の外観が来春、一新される。京都府教育委員会が進める「平成の大改修」で建物全体を赤く塗り、鳳凰に金箔(きんぱく)を施すなどして平安時代の創建時の姿に近づけることが決まったのだ。現在の地味で枯れた印象から、「真っ赤で金ピカ」の姿に大変身するわけだが、この改修をめぐり「歴史的に意義がある」「いや古色が失われ、違和感を覚える」と研究者らの間で賛否の声がわき上がっている。(渡部裕明)

「丹土塗り」に復原

 「新しい鳳凰堂の姿に期待してほしい」

 7月9日、平等院で記者会見した神居(かみい)文彰住職と鶴岡典慶・府教委文化財保護課副課長は、こう言って胸を張った。

 国宝で、世界遺産にも登録されている平等院。大改修は平成2(1990)年から始まった。その過程の発掘調査で、天喜(てんぎ)元(1053)年、関白・藤原頼通によって創建された際は屋根瓦が木製だったのが、約半世紀後の修復で、現在のような粘土瓦による総瓦葺(そうかわらぶき)になったことなどが明らかにされた。

 平成大改修の仕上げは外観の彩色、つまり柱や扉の塗り替えと、屋根を飾る鳳凰などの手直しである。

 国宝建造物などの修復にあたっては、可能な範囲で古い形式や仕様に復原する方針が取られる。はっきりした痕跡などが確認されれば現状を改め、古い形態に戻すのだ。

 鳳凰堂は戦後間もない昭和25(1950)年に修理された。その際の外観の彩色は、鉛を焼いて作った赤色顔料の「鉛丹(えんたん)」で塗り直した。しかし今回、古い瓦に付着した顔料を分析したところ、かつては鉛丹でなく酸化鉄と黄土を混ぜた「丹土(につち)」だったことが判明した。

ケバケバしく、鳳凰もキラキラに!?

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