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【関西事件史】取材ヘリ空中衝突事故 一度ならず二度までも

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【関西事件史】
取材ヘリ空中衝突事故 一度ならず二度までも

 「少しでもいい写真を撮りたい」というカメラマンの思いと「撮らせてやりたい」というパイロットの思いは報道に携わる者として理解できるが、もちろん事故を引き起こすのは論外だ。

 経験した2件とも、墜落した先での死傷者はなかった。が、明石の事故では朝日放送機は公民館の屋上、毎日機はマンション前の駐車場にそれぞれ墜落、泉佐野の事故では朝日機が民家の上に落ちて屋根などを大破、ひとつ間違えれば住民を巻き込んだ大惨事になるところだった。当たり前だが、「安全第一」である。

          (取締役大阪編集局長兼大阪代表補佐 片山雅文)

【用語解説】取材ヘリ空中衝突事故

 昭和59(1984)年7月31日午後1時すぎ、兵庫県明石市で発生した会社事務所での強盗事件を取材中の毎日新聞の取材ヘリと朝日放送がチャーターしたヘリが空中衝突した。朝日放送機は公民館屋上に墜落し、ぺちゃんこに大破して乗員3人が死亡した。毎日新聞機も墜落、大破し、乗員3人が負傷した。

 一方、平成6年10月18日午前10時すぎには、和歌山沖であったタンカー同士の衝突事故の取材から戻る途中だった朝日新聞のヘリ「まいどり」が、大阪府泉佐野市の上之郷インターチェンジ上空で、同じ事故の取材に向かう途中の毎日新聞のヘリ「ジェットスワン」と接触した。毎日機は無事だったが、朝日機は民家の庭先に墜落して大破、乗員3人が死亡した。

 事故原因は双方の前方不注意だったが、運輸省(当時)の航空事故調査委員会は、お互いが左に傾斜した状態ですれ違いざまに接触し、この際、朝日機のメーンローターが毎日機の後部にある垂直安定板を切断したと断定。これによってメーンローターが破損し、機体姿勢が急変したため、荷重がかかりすぎて朝日機が空中分解したと結論づけた。

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