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【2020年へのバトン】(中)アジア大会は“実戦テスト” 酷暑対策

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【2020年へのバトン】
(中)アジア大会は“実戦テスト” 酷暑対策

 効果は大きく金メダルにもつながったが、気になる異変が1つあった。序盤の10キロすぎに両ふくらはぎをつりそうになったのだ。それを井上から聞いた杉田委員長は「冷えると血流が良くなくなる。(手の冷却は)体が温まっていないと危ない」とアドバイスしたという。実践したからこそ得られた教訓だった。

 日本陸連ではレース前後に選手の体重と体温を測定。レース中もサーモグラフィーで体の表面温度をチェックした。収集したデータを分析し、選手個々に合った方策を探っていく。

 暑さと対峙(たいじ)するのは陸上競技だけではない。セーリングではレースの合間に首を冷やすベルトを試験導入した。これまで海水を浴びて体を冷やしていたという女子470級優勝の吉岡美帆(ベネッセ)は「頭がすっきりした。これからも使っていきたい」と気に入った様子だ。

 「馬もバテる」と語った馬術の照井慎一監督は今大会中、試合を控えた練習で馬のクールダウンに努めたという。動いた後にしばらく歩かせたのに加え、扇風機で風を当てた。「東京五輪では厩舎(きゆうしや)に冷房も必要になる。ただ、冷やしすぎると屋外に出たときに寒暖差でバテてしまうので、うまく調整しないといけない」と見据える。

 国立スポーツ科学センター(JISS)は大会後、全競技団体を対象に暑熱対策の現状などに関するアンケートを実施する。類似の課題を抱える競技団体同士の横の連携を図るなど支援を進める。中村大輔研究員は「それぞれの競技で良いパフォーマンスを発揮してほしいのはもちろんだが、選手の健康を守るためにも対策に取り組んでいかないといけない」と話している。

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